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第七章第十一話
裁判には、父が一緒に行くことになった。最悪の事態となった。裁判当日、待ち合わせ室の様な部屋で、父と待機していた。怖そうなチンピラっぽいお兄さんがお袋さんらしき人と一緒にいた。父はずっと不機嫌そうだった。若い私は、いたたまれなくて、この場所から逃げ出したかった。 「学校にはいかないように手を打ったからな。安心しろ。しかし、約束どおり事故を起こしたら、バイクを売るということだったな。約束は守れよ。」父が重々しく口を開いた。若い私は反論出来る立場に無かったので、ただうなずくしかなかった。やがて名前を呼ばれて、裁判が始まった。裁判は簡易なもので、怖そうなチンピラっぽいお兄さんも一緒に裁判を受けた。その場で判決を言い渡され、免停が言い渡された。