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第七章第七話
事故で怪我した女性は40台後半らしかった。
事故でケガさせてしまった人は、40代後半の女性らしかった。というのは、病院に運びこまれた彼女は、軽い打撲だけだったので、歩いて帰ったようだ、と看護婦から伝えられた。若い私は少し安堵した。信号が変わった出だしで、スピードが出ていなかったのが、幸いしたらしい。 若い私は、その足で俊ちゃんたちがいる楽器店に向かった。 俊ちゃん達に事故の顛末を話し、若い私は、気が重い家へ帰った。気が重い最大の要因は、父に、この事故のことを知られる事だった。しらばっくれて、話しをしないようにすればよいか、と一瞬思ったが、バレた時の事を考えると、リスクが大きすぎた。いろんな事を考えているうちに家に着いてしまった。