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第七章第二話
元いた世界はまったくつまらなかった。
元いた世界は、まったくつまらなかった。特に今回は、帰りたいと強く願った訳ではなかったので余計にタイムスリップしたあの世界が恋しくなった。あの事故の顛末はどうなったのか、気になるばかりだった。あの世界にもう一度タイムスリップしたい、と毎日願う日々が続いた。
あの事故の行方はどうなったのか?その疑問は強まるばかりだった。しかし、タイムスリップは起こらなかった。毎日、成果が上がっているのか、どうかわからないリハビリの日々が続いた。周囲の人々は良くなってきた、と言ってくれるが、実感は湧かなかった。 そんなある夜・・・