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第六章第八話
コージを後ろに乗せて、俊ちゃん達がバンドの練習をしている楽器店に向かった。
コージを後ろに乗せて、俊ちゃん達が楽器の練習をしている楽器店に向かった。そして静岡市内で当時一番大きい交差点を右折しようと信号待ちをしていた。右折信号が出たので、ゆっくりとバイクを走らせた。
その時、右前方から自転車が飛び出してきた。若い私は、自転車をよけようと必死にハンドルを切った。しかし、自転車の後輪にバイクが当たった。その瞬間激しい目眩が襲ってきた。
私は気がつくと自宅のベッドの上に横たわっていた。自転車とぶつかった衝撃で元の世界に戻ってしまったらしい。時刻は夜中の3時、まだ暑いから、冬ではないようだ。身体を動かして起き上がろうとするが、左半身は不自由だ。この世界は本当に不自由だ。