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第一章第五話
カフェバーもどきの喫茶店に入った私はそこて高二の時にタイムスリップできたことを知った。
カフェバーもどきの喫茶店へは簡単に入ることができた。入り口付近でスポーツ新聞を広げているサラリーマンがいた。日付を見ると、昭和57(1982)年6月28日となっていた。どうやら私はうまいこと、高校2年時代にタイムスリップできたらしい。喫茶店でゆっくりとスポーツ新聞を読もうとしたときに、不意に肩を叩かれた。
「やっぱり戻ってきたのね。」そこには、私より先にこの世界へタイムスリップしてきた女がいた。「あなたは戻ってくると思っていたわ。」「なんでそう思った?」私は、少し不愉快な口調で聞いた。「だって、帰る理由がイマイチ釈然としなかったからね。本当は好きだった女の子にひどい形でフラれたんじゃないの?」図星だった。しかし、小憎らしい女だった。