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第四章第二話
やんきぃ兄ちゃんの横を通り過ぎようとした。しかし・・・
ヤンキィ兄ちゃんの顔色が見る見るうちに赤く変わっていった。「行こっ!」ミーコが若い私の手をとり、男を無視して通りすぎようとした。しかし、ヤンキィは「待てっ!」と低くどすの効いた声で吠えた。 人生はドラマのように、都合良く、かっこよく行かない。その事を私は違う世界でも味わう羽目になった。ヤンキィ兄ちゃんが吠えて、若い私の襟首を掴んだ。ヤンキィは若い私より小柄だったが、喧嘩慣れしていそうだった。
「嫌がってるんだから、やめろよ。」「うるせえ!」ヤンキィは凄むと同時に、若い私の鼻先に殴りかかった。