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第四章第一話
ミーコは海が見たいと言って、公園から出ようと、若い私を促した。
ミーコは「海を見に行きたいな。」と言って、公園から出ようと、若い私を促した。二人揃って、公園を出ようとしたところ、刺すような鋭い視線を感じた。公園の出口付近に停めている素晴らしく品のいい外観の暴走族風の車から、これまた絵にかいたような暴走族風のアンちゃんが降りてきて、まっすぐこちらへ向かってきた。 若い私はこの当時身長は180センチ位あり、大きかったが、へたれだった。口ではいつも強がりを言っていたが、素手の喧嘩は中三以来していなかった。しかし、目の前に迫ってくるヤンキィ兄ちゃんは喧嘩慣れしてそうだった。 兄ちゃんはタバコを道路に投げ捨て、私の方ではなく、ミーコに話しかけた。
「どういうことだよ。ミーコ?」「あんたには関係ないよ、あんたとはもう別れたんだから。」ミーコは冷たく、ヤンキィ兄ちゃんに言い放った。




