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第二部第一章第三話
あれだけ待ち焦がれた自宅での生活は退屈で味気ないものだった。
せっかく、あれだけ待ち焦がれた自宅での生活も、退屈で味気ないもので、私は世間から取り残されている感じがして、焦りが強くなっていった。家族や友人は今はゆっくり休んで体を治すことが先決と声をかけてくれたが、私はその言葉を頭では好意的に受け止めようとしたが、一人になると、深い絶望感に襲われた。 私は、深い絶望の中で、偉そうな事を言って後にした、あの高校時代のあの世界へまたタイムスリップしたくなった。自分が経験した過去の世界と微妙に違うが、透明人間でも構わないので、自由に動き回れるあの世界へまた行きたくなった。私は夜、ベッドに横たわって、あの世界へタイムスリップすることを強く願いながら目をつぶった。