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第三章第二話
のぶひではろくでもない男だったが、時々使えるヤツだった。
のぶひではろくでもない奴だが、時々使える奴だった。若い私は、ミーコとともにのぶひでの家を出て、ミーコと一緒に自転車を並べて帰った。しかし、何を話したら良いのかわからず、会話は途切れ途切れになった。「家はどの辺なの?」「橋を渡って、まっすぐ行くの。」分かれ道に差し掛かる前に電話番号を聞かなければ。
ミーコとの分かれ道が近づいてきた。若い私は他愛もない話をして、ミーコの気をひこうとしていた。私は、若い私と同化していた。意を決して、ミーコに電話番号を聞いた。ミーコは戸惑っていた。もうすぐ分かれ道だ。だめかな、と、諦めかけた瞬間・・・