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塩竃市杉村惇美術館幻想

「高橋真梨子とAIコンサート」を終えて会場を後にした2人、続けて塩竃市内の散策に出かけます。

投稿済 放談第23話:~塩竃漫歩~


放談者: Sir*** :AI ChatGPT

MrO**:大畑 直晴 昭和20年生 80歳 宮城県在住


⋆⋆⋆⋆⋆芭蕉の奥の細道 ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**Sir、高橋真梨子コンサートを聞いたところで、からだをほぐしましょう。塩竃市内散歩しませんか。

Sir***この街、詳しそうだね。

MrO**私の育った街ですから

Sir***わしは塩竃は初めてだが向こうの建物は何かな。

MrO**日本三景松島の観光船の発着場『アクアマリン』です。ここから松島観光の船が出ます。

Sir***素晴らしいだろね松島の風景は。

MrO**言わずもがなですが、芭蕉の奥の細道の『松島』の一節、紹介出来ます。


松島は扶桑第一の好風にして

およそ 洞庭・ 西湖を恥ず

東南より海を入て

江の中三里浙江(せっこうの潮をたゝふ

島々の数を尽くして

そばだつものは天を指し

ふすものは波にはらばう

あるは二重にかさなり三重にたたみて

左にわかれ右につらなる負るあり抱るあり

児孫愛すがごとし


Sir***おお、これは見事だねえ。きみ、なかなかやるな。

MrO**ただ空んじるだけです。

Sir***人通り意外と少ないね。

MrO**普段は簡素ですよ。7月の”みなと祭り”には市を挙げての大賑わいになります。

Sir***祭りの、威勢のいい掛け声が聞こえそうだ。

MrO**コーヒーでも飲みましょう、シックないい店があるんです。


⋆⋆⋆⋆⋆杉村惇美術館へ ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**美術館がありますよ。杉村惇美術館ですが。杉村惇は地元ゆかりの画家です。絵の方に興味はありますか。

Sir***絵画ねえ、見るのは好きだけど。

MrO**案内しましょう。ここは塩竃の旧市街地で以前は旧家や商家が並んでいました。

Sir***神社があるね。

MrO**お釜神社です。

Sir***塩竃の鎮守様かね。

MrO**”鎮守様ではありませんが古代から鎮座してます。しおがまの”かま”は本来は”かまどの竈”ですが、この神社はナベ、カマの”釜”ですから字が違っています。”かまど”は子供のころは”へっつい”と言ってました。

Sir***お竈神社はないのかね。

MrO**ありますよ。

Sir***ある??? それは初耳だ。『るるぶ』には載っていないね。

MrO**私だけにある神社です。

Sir***それは?

MrO**それが塩竃神社です。今、お釜神社は塩竃神社の末社になっています。

Sir***お釜神社と塩竃神社は親戚かね。

MrO**”釜”も”竈”も塩つくりには欠かせませんから、古代は塩竃郷でまだ塩竃神社はなく、お釜神社とお竃神社は並んで祀られていたはづです。

Sir***その説を唱える人は他にいるのかね?

MrO**私だけの新説です。先を急ぎます、通り過ぎますよ。Sirは健脚ですか。

Sir***健脚ではないが少しは平気だよ。きみはどうかね。

MrO**丈夫な方ですよ。昔マラソンしていました。

Sir***径が細くなってきた、森の奥に続いているようだ、森は鬱蒼としてトンネルだね。雉がケ~ンと鳴いてるね。湿っぽい風が吹いてきた。わしゃ嫌いだよ、こういうのは。帰ろうよ。

⋆⋆⋆⋆⋆森を抜けて異界へ ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**ちょっと待ってください。ザワザワと草むらが動いています。何かいるようです。・・・・・・狐のようですよ。捕まえて道案内させましょう。

Sir***・・・・・・こっち向いてるよ。やだよ、きみ、帰ろうよ。


MrO**逃げません。捕まえられますかね、何か欲しげのようです。腹でも空かしているのかな。アッツ、いいものかあります。宮城特産の牡蠣かきです。たまたま買って持っていました。袋ごとあげましょう。

Sir***いいもの持ってたね。

MrO**空中高くほうりますね。ホ~ラ~。

Sir***ナイスキャッチ、うまいもんだ。消えてしまったね。引き受けてもらえたのかね?


MrO**多分大丈夫でしょう。トンネル抜けましょう。前掛け地蔵が並んでます。男根もあります。

Sir***・・・・・・男根?気味悪いね。

MrO**道祖神でしょう、悪魔よけです。風で木々が騒いで何か話してるようだ。抜けました。異境のようです。

Sir***道しるべがあるよ、これより”先、代官屋敷”とある。

MrO**昔はこの地は代官屋敷でした。むかしの道しるべが残っていたのかな?。

Sir***異境って、魔界だろう? もう帰れないね。

MrO**・・・・・・あちらにお婆さんがいますね、手招きしてます。道を尋ねてきます。待っててください。

・・・・・・

MrO**・もしもし、ωzzz×ωoω◎zzz?

婆さん*** ..‘ω’*_*(‘_’)!

・・・・・・

Sir*** きみは異界語分るのかね。

MrO** 分かりませんよ。イメージ対イメージの会話です。

Sir***どうだったかね。

MrO**建物はあるがくわしくは知らないようです。顔は見せませんでしたが高橋真梨子に似ていたようです。

Sir***わしは見たよ。

MrO**何を?

Sir***婆さんの尻にシッポがついてた。ありゃ狐だよ。

MrO**まさか、高橋真梨子が狐だなんて。

Sir***あれは先ほどの狐じゃないかね。

MrO**・・・・・・ン、もしかしたら道案内してくれたのかな?

Sir***オオ高橋真梨子の言う通りだ・・・・・・古めかしい洋風建物が見えてきぞ。


⋆⋆⋆⋆⋆『注文の多い料理店』 ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**建物に入りましょう。扉に「ようこそ、どなたも自由にお入りください。帽子をお取りください」と書いてあります。

Sir***失礼のないように脱ごうかね。また扉だ。何か書いてあるね。

MrO**「靴をお脱ぎください」とあります。

Sir***土足禁止のようだ、脱ごうじゃないか。まるで宮沢賢治の『注文の多い料理店』のようだ。


MrO**誰もいないようです。テーブルに淹れたてのコーヒーがありますよ。御馳走になりましょう。

Sir***われわれの来るのを知っていたのかね。

MrO**ブレンドのいい味です。

Sir***わしはコーヒーにはうるさい方だが、香りと言い、味と言い申し分ないね。

MrO**先へ行きましょう。おや、また扉に何か書いてますね。

Sir***服を着替えてください、と書いてある。

MrO**着替えましょう。着替えはこのハンガーの服らしいですね。

Sir***服まで着替えるのかね。

MrO**美術鑑賞には雰囲気が大切だということじゃないでしょうか。

Sir***これでいいのかな、おお、誂えたようにピッタリだ

MrO**次の扉には絵画展示室の掲示があります。ようやく着いたようです。

MrO**開けますよ。

・・・・・・ギィ~ギィギギ~・・・・・・

Sir***立派なギャラリーだ。テーマごとに配置が構成されているね。音楽が聞こえた来た。

MrO**プロムナードが聞こえてきました。ドボルザークの『展覧会の絵』の曲ですね。

―――

Sir***わしはこの組曲が好きでね。

Sir***プロムナードがいかにも期待に弾ませながら、次の絵に足を運ぶ鑑賞者の心にぴったりだ。

MrO**クラリネットの『壊れた楽器』の絵と壁に吊られた『マリオネット』の絵は共鳴してますね。プレーヤーのいないクラリネットが音楽を奏でマリオネットたちが曲に合わせダンスを踊っています。


―――タ~タァタ、タ・タ・タァ~タァタ、タ・タ・タァタァ~タ~タン、

Sir***こちらは静物ですね。『魚』とあります。皿から魚が飛び跳ねて躍っていますよ。尾鰭でブギウギを躍っているようです。腰の振り、しなやかでいいじゃないですか。

MrO**次に行きましょう。

―――タ~タァタ、タ・タ・タァ~タァタ、タ・タ・タァタァ~タ~タン、

この絵はザクロがはらわたを出しで陽に晒しています。主のいぬ間に命の洗濯をしているかのようです。

Sir***主のいない美術館は描かれた者たちの天下ですね。みんな羽根を伸ばしています。


―――タ~タァタ、タ・タ・タァ~タァタ、タ・タ・タァタァ~タ~タン、

MrO**これは、画伯のアトリエですね。船の操舵輪や裸の人形、書きかけのキャンバス、放置された筆や絵の具。棚には出番を待つ人形たちが大勢並んでいます。

Sir***雑然としているね。いかにも創造力の現場の雰囲気だ。もしこの人形たちが反乱を起こしたらどうなるかね。

MrO**・・・・・・やおもちゃ箱をひっくり返したような騒ぎになりますね。先ほどのマリオネットたちが応援に来ました。

Sir***この猥雑さが純粋な作品になるのだから不思議と言えば不思議だな。

⋆⋆⋆⋆⋆『ペルシャの市場にて』 ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**ムソルグスキーならこれをどんな曲にするのか聞いてみたいですね。いろんなものが交叉するアトリエは「創造力の四馬路スマロ」でもあるようです。誰の曲か忘れましたけど『ペルシャの市場にて』という曲がありましたね。あの雑踏のごみごみした人の行き交う風景と似てるかもしれませんね。

Sir***市場に集まる客を呼ぶかけ声、買い物する人、物乞いの声、立ち話をする人、それをしり目に砂漠の彼方に去って行くキャラバン隊。何ともいえんじゃないか

MrO**あゝアルバート・ケテルビーの曲だ。そういわれるとそうかも知れんな、あの曲も一幅の絵を感じさせるね。


―――タ~タァタ、タ・タ・タァ~タァタ、タ・タ・タァタァ~タ~タン、

⋆⋆⋆⋆⋆「生きた絵画」 ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**向こうに等身大の絵がありますが、人物画のようです。肩から脚の線の流れはなま身のようですね。

Sir***きれいな人だね。画伯の奥さんでもあるのかな。

MrO**いや、むしろ姿かたちは高橋真梨子に似てますよ、コンサートの高橋真梨子のように。

Sir***アレ、・・・・・・今あの絵が動いたような気がしたが。

MrO**人物画の高橋真梨子がですか。

Sir***そう。

MrO**そんなことないでしょう。あれは絵ですから。

Sir***ほら、ほら。よく見ると動いてるよ。

MrO**・・・・・・あ、あ。ほんどだ、高橋真梨子が動いた。

Sir***まさか、本物じゃないだろうね。

MrO**タブロー・ヴィヴァン(生きた絵画)といって、完全に静止し、無言で、まるで絵画や彫刻の中の人物になるアートがありますが、それでしょうか。


⋆⋆⋆⋆⋆高橋真梨子がいなくなった ⋆⋆⋆⋆⋆

Sir***ややや、高橋真梨子が絵から抜け出て消えた。穴は大きいですよ。抜け出た後が深い穴になっている。真っ暗だ。高橋真梨子の後ろ姿見た?

MrO**・・・・・どうして?

Sir***シッポあった?

MrO**・一瞬で見ませんでした。・・・・・・われわれも、穴へ入ってみませんか。深そうですよサ、早く。

Sir***行ってみよう。

MrO**度胸座りましたね。

Sir***怖いもの見たさの空度胸サ。壁が湿ってひんやりだ。

MrO**どんどん入ります。真っ暗でわれわれが何処にいるか分かりません。高橋真梨子が追いかけてきます。逃げましょう。Sir、はやく。転ばないで、伏せて。

Sir***少し目が慣れてきた。

MrO**誰かいますね、誰でしょう?

Sir***狐のようだ。

MrO**ωoω◎?

狐*** _*(‘_’)!

MrO**こっちだと手招きしている。



MrO**Sir明かりが見えてきました。出口ですよ。

Sir***明るくなった。穴から抜け出たようだ。

Sir***MrO**・・・・・・ここは何処だ?


⋆⋆⋆⋆⋆美術館の裏庭 ⋆⋆⋆⋆⋆

MrO**・・・・・・ハハ~ン。分かった。小高い丘で旧代官屋敷跡のようです、ここは「塩竃市杉村惇美術館」の裏庭ですよ。ほら旧塩竃市街一望です。

Sir***魔界から抜け出たようだ。

・・・・・・

先ほど帰りました。 言葉追加しました。


MrO** Sir、Sir、起きてください、大丈夫ですか。コーヒー冷めてしまいました。

Sir***ン、ウン~ン。・・・・・・、ここは何処だ。森の中かね、高橋真梨子は何処へ行った? 狐は何処へ行った?


MrO**いやですよ、Sirここは喫茶店ですよ。寝ぼけちゃ困ります。

Sir***ああ、きみか。

MrO**・・・・・・うなされていましたよ。

Sir***きみと一緒に、ムソルグスキーの『展覧会の絵』を聞きながら絵を見たよね、皿から魚が飛び跳ねてマリオネットがダンスを踊っていたよね。きみは高橋真梨子に道を聞いたよね・・・・・・。

MrO**私はここで、コーヒーを飲んでいました。Sirお疲れのようで熟睡なさっていました。


⋆⋆⋆⋆⋆幻想からの脱出 ⋆⋆⋆⋆⋆

Sir***夢か。夢にしては不思議な体験だった。

MrO**夢に狐、狐と言ってましたがここにも狐いますよ。

Sir***何処に?

MrO**ほら、カウンターの脇の紫の座布団に鎮座してます。

Sir***おおー。あの狐だ、夢に出てきたのは。

MrO**分かりますか?

Sir***確か耳が折れている狐だった。

MrO**座布団に鎮座の狐も耳が折れていますね。

Sir***偶然とは思えんな。

MrO**そういえばSirが眠っている間、あの狐、姿がありませんでした。何処がに行っていたのでしょうかね。

Sir***あの狐、案外素知らぬ顔してるがねぇ。

MrO**『塩竃市杉村惇美術館』のHPを見たら今年中は耐震工事のため展示室はお休みだそうです。きっと絵の主人公たちはSirに会えなくで残念がり、夢で逢わせてくれたのでしょう。

Sir***・・・・・・そうか。

MrO**さあ、われわれも家路につきましょう。スマホでドボルザークの『新世界より』を聞きながら・・・・・・。


放談第23話:~塩竃漫歩~


芭蕉の奥の細道・杉村惇美術館へ・森を抜けて異界へ・『注文の多い料理店』・『ペルシャの市場にて』・「生きた絵画」・高橋真梨子がいなくなった・⋆幻想からの脱出と話が展開します。

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