第一話 ここから出ていけ
青い空、白い雲。そしてそれを見ながらの残業...。
今日はなんていい天気なのかしら。
昨日は土砂降りだったというのにこんなに晴れるなんて。
もしかして今日、いいことあるかしら。
そんなことを思い浮かべながら私は書類を処理していた。
私の名前はアイリス・バルセロナ。
バルセロナ侯爵家の長女である。
まあといってもそれはなばかりで両親やほとんどの使用人からはそんな扱い受けたことがないのだけれどもね。
なぜかって?両親は次女のリリア・バルセロナを溺愛してるからよ。
リリアのことばっかりのこと考えてるから使用人も私への態度が酷い。
それにリリアは純粋そうな顔をしてるけど中はかなりの性悪で私を孤立させようとしてくる。
でも今はそんなことを考えずに手元にある書類を処理しなきゃいけないわ。
よし、早く終わらせちゃいましょう!
そんなことを考えているとドアがノックされた。
「どうぞ。」
「失礼します。アイリス様。」
「ああ。ユラじゃない。どうしたのかしら?」
ユラは多くの使用人の中でごく一部と言っても過言ではないほどの私を『バルセロナ侯爵家の長女』として扱ってくれる子よ。
「旦那様がお呼びです。その...大変お怒りのようだったので早めに行ったほうがよろしいかと。」
「ええ、わかったわ。ちなみにお怒りの理由はわかるかしら?」
「いえ、まったく。」
「そう。ありがとう。今すぐいかないとね。」
そうして私はバルセロナ侯爵家の当主であるお父様に会いに行ったのだが...
おかしい。なにか嫌な予感がするわね...
そんなこと思ってもお父様が怒っていることは変わらないので急いで行くことにした。
そしてお父様の部屋につき、ドアを開けると...
「アイリス!!!やっと来たのか!!!」
うわ、そんな大きい声急に出さないでほしい。
それになぜかお父様の隣に目をうるうるとさせている妹がいる。
「アイリス!リリアから聞いたぞ!お前がリリアをいじめていると!」
「はぁ!?」
いや待て待て。なんでそんな状況になっているのだ。お父様は私が仕事に追われて1日中忙しいことを知っているはず。
私にはリリアをいじめる時間さえないことも知っているはず。
なぜこのような状況に?
「お父さまぁ 姉さまったら酷いのよ?『あんたなんか侯爵家に必要ない。出ていけ』っていわれたのぉ』
でたああああ! あれはリリアに必殺技泣いて同情を誘う作戦!
「何!?そんなことまで行っていたのか!?」
いやそれ今知ったの!? 先に教えときなさいよ!馬鹿!
「お父様。私は仕事で忙しく、リリアをいじめる時間さえありません。なにかの誤解かと。」
「うるさい!仕事の合間にやったのだろう!」
「はああぁ!?」
そんな理不尽な!
「お父様ぁ。私、姉さまが怖いです。もう二度と見たくありません。」
と言いながらお父様の腕を抱き寄せ、上目遣いを使うリリア。こういうのは徹底的にやるんだな...
「うむ、ともかく!リリアのためにも!お前にはこの家を出ていってもらう!いや、出ていけ!出来損ない!」
「はああああああああああああああああああ!?」
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