表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女騎士さん、冒険者になる。~今日も魔物の肉がうまい~  作者: 九條葉月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/46

閑話 『組織』の男・3

 組織の再建を目指す男、ゼニーは護衛として与えられた騎士二人と共に森へと分け入っていた。


 しばらく大人しくしていた結果、あの女騎士の襲撃はなく。もう動いても平気だなと判断したのだ。


「おっと、ゼニー様。しゃがんでください」


 護衛騎士の声に従い、ゼニーは立ち止まって膝を地面に突いた。


 騎士たちが顔を向けている方に視線を向けると――そこにいたのは何とも醜い魔物であった。


 ――オーク。


 顔は豚に似ている。一見すると豚の頭に人間の身体を取り付けた感じであり、いかにも動きが鈍そうだ。


 ただ、その身体は人間を大きく上回っており、たとえ少しばかり動きが鈍くともゼニーなど即座に潰されてしまうだろう。


「おっと、ゼニー殿。あまり顔を出さないように」

「オークは強力な魔物。俺たちだけでは逃げ切れないかもしれませんからね」


 騎士が戦うのではなく、逃げることを選択する。しかも、逃げ切れる保証はないという。


 それだけ強力な魔物なら、と、ゼニーは期待しながら『笛』を取り出した。


「ほぉ、それが例の笛ですか」

「どのように使うので?」


 下手(したて)に出る騎士たちの態度に気をよくしたゼニーは簡単に説明してやることにする。


「なに、簡単です。自らの魔力を込めながらこの笛を吹くと、笛によって魔力が増強、拡大され、その魔力を持った人間の言うことを聞くようになるのです」


「ははぁ、」

「理屈はよく分かりませんが、凄い魔導具なのですなぁ」


 よいしょ、よいしょとゼニーを持ち上げる騎士二人。そんな彼らに見せつけるようにしてゼニーは『笛』を吹いた。


 何とも奇妙な、耳を押さえたくなるような甲高い音が森に響き渡る。


 途端に脱力し、虚空を見つめ始めるオーク。それでも騎士たちは警戒するが……戦闘職でないゼニーは恐れることなくオークに近づいてく。


 ……側で見てみると、その巨体と肉の鎧がよく分かった。

 理屈ではない。本能で『強い』と分かる。


 ――これなら、あの女にも勝てる。


 そう確信したゼニーだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ