緩さマックス春香
あれから2日が経った時だった。
「え、入院?」
そう俺の母から言われた。実は昔から家族ぐるみで仲が良かったのだが、どうやら春香の母を通じて知ったらしい。
「何で入院したんだ?」
「それがわからないのよ。昨日の朝学校に行く時に急に倒れたって」
そんなことあるのか。一昨日は元気そうだったけど。
「だからさ、できれば毎日お見舞いに行ったら喜ぶんじゃない?これまで何回も東海林家に助けてもらったからさ〜」
正直なところ戸惑った。俺1人で?とは思ったし、毎日は行けなさそうだし。でも昔からの友達だろ?やっぱり行ったほうが行かないよりはマシだろうな。そして
「分かった。行くよ」
「お、さすが長男!今14時くらいだし今行っても良さげだけど、どうする?」
え、俺明日からと思ってたんだけど。
「じ、じゃあ行ってくる」
「お、さすが長男!」
「もうええて」
ということで母からどこの病院のどの病室にいるかを聞いて、早速出かけた。
色々とスタッフステーションでやることをやって、病室のドアをガラガラと音を立てて開けた。そこにはなぜか笑顔な春香がいた。多分作ってるな。
「あ、来てたんだ」
大人びてて、でもなんか冷たいいつもの声が聞こえてくる。
「と、当然だろ。俺が熱出した時なんて毎日来てたからな」
「懐かしいな〜」
とちょっと笑いながら言った。
「突然倒れたらしいけど、なんかあったのか?」
「いやー、その時のこと全く覚えてないんだよね〜」
「へ、へぇ〜...」
え、覚えてないことある?まあ昔からそんな感じだしいっか。それより、俺めっちゃガチガチじゃん。いつものように接すれば良いのに。
「今日も屋上いたの?」
「え、まあ」
「今日私いなかったからずーっと寂しくて泣いてたでしょ」
そんなことありません。でもちょっと、うん。ね?
すると指で四角形を作って、ってなんかこれ見たことあるな
「私は君の心が読める。、、、ふむふむ」
え、なんか怖い。そして人の心を読むでない。
「、、、寂しかったんだねぇ?そうでしょぉ?」
なにそれ。俺からしたらびくともしない。
すると1人のお医者さんがやってきた。30代くらいの若い先生だった。名札を見ると「矢島」と書いてあった。
「お見舞いですか?」
「え、あ、はい」
「僕はこの病院で看護師をやらせてもらってる矢島龍彦です。よろしくね」
意外とフレンドリーな看護師やな。
「っていうか春香の病状はどんなんなんですか?」
すると矢島さんは
「聞いたところによるとわからないらしいんだよ。今のところは本当に」
え、先生たちでもわからないの?
「一応1週間後はMRIを撮る予定なんだけど、それでも見つからなかったらなー、、、」
「え!?そんなの私聞いてないんだけど!?」
「え?言ったはずだけどぉ!?」
嘘だ。こいつ聞いてなかったんかい。でも次の検査で何かわかるかもしれない。
でもそれでもわからなかったら、、、?