台形になった観覧車
俺はもう毎日毎日疲れた。
目は回るし、俺の中で恋人同士がイチャイチャするし、恋人もいない俺に対して失礼じゃないか。
人間どもは俺を朝から夜まで休みなくコキ使うし、そろそろゆっくり休みたい。
そこで俺は考えたんだ。
少ししゃがんで休もうと。
そして、俺は夜遊園地が閉園した瞬間に丸く立っていた体制から、しゃがんで台形になって休みを取った。
はぁ、疲れたなぁー。俺は少し眠る事にした。
すると、掃除の担当者が来て俺を見て腰を抜かした。
「えっ、えぇー、観覧車が丸から台形に変形してるー」と叫んでいたのだ。
そして、ザワザワと沢山の作業着姿の人間が集まり出した。
俺は動けなくなり困り果てた。
すると、人間どもが話し出したのだ「そろそろ、この観覧車も古いから廃棄かな」
「そうだな、丸が常識なのに台形なんて聞いた事が無いしな」
俺は焦った、廃棄なんて俺はまだまだ頑張れるぞ。
そして、俺は元気に立ち上がり丸い形に戻り、
澄ました顔をした。
人間どもは目を丸くして驚いていた。