魔力を感じてみた(4歳)
「お嬢様、今日はご機嫌がよろしいようですね。もうすぐ、5歳の誕生日ですもんね」
専属メイドのアンが入ってきて言った。
そう、シンシアはまだ4歳だったのだ。
「アン、ちょうど良いところに来たわね。私は最強の悪になることを決めたの!世界中の人が怯え、逃げ惑うのよ!わっはっは〜!」とベッドの上で飛び上がりならがアンを見下ろすシンシアだったが、
「はいはい、昨日の絵本が気に入ったのですね。今夜もまた勇者と魔王の絵本を読んであげますからね」
と言ってスルーされるのだった。
「ちょっと待ちなさい。私は強くな」
「お嬢様、朝ごはんの時間ですよ。お食べにならないのですか?」
「食べる〜!」
前世の記憶があっても、シンシアはまだ4歳の子供だった(精神年齢も)。
「うむ、美味しかった。余は満足じゃ〜。」アンが食べ終わった皿を片付けて去っていった後、少し膨れたお腹をさするシンシア。気分は王様である。少し眠くなってきたシンシアだったが、そこで最初の目的を思い出すのだった。
「はっ!こんなことをしている場合ではない。強くなるための方法を探さなくては!」
前世の記憶を探るシンシア。
「あれ?前世の私友達いなくない?この日も一人屋上でお弁当食べてる・・・」
前世の自分を見て少し切ない気分になるシンシア。前世の自分をみて心の涙を少し流すのだった。
「そんなことより強くなる方法の記憶・・・。あった。えっと・・・
『この世界には魔法と呼ばれるものがある。魔法には属性が6つある。光、闇、火、水、風、土。魔法を使うためにはまず魔力を把握する必要がある。魔力は心臓を起点として体内を巡っている(by公式ガイド)』。公式ガイドって何・・?ってそれは良いとして、魔力よね。心臓を起点としてだから・・・」
胸に手を当てて、魔力を感じ取ろうとするシンシア。
「なるほど。わからない。」全く魔力を感じ取ることができなかったシンシアだった。
「お嬢様、胸に手を当てて何をなさっているのですか?」アンが入ってきた。
「うむ!聞いて驚くと良いわ!魔力を感じ取る練習をしていたのよ!私は天才だから!」
ドヤ顔で宣言するシンシア
「そうですね。お嬢様は天才ですね。でもそろそろお昼寝の時間ですよ」
「私はまだ眠く・・眠く・・・」お昼寝の時間と聞いて眠気が襲ってきたシンシア
「寝るまでお腹をポンポンしてあげますから」と言って、シンシアを抱き上げてベットに入れるアン。
お腹をポンポンされて、あったかさが体に広がっていくなーと感じたシンシアは、
後にそれが魔力の流れであることを知るのだった。