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私は静かに暮らしたい  作者: あやぺん
おまけ編

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43/43

結納日

読み返して書きたくなったので書きました

読み返して見つけた誤字脱字は、直しきれていません汗

 今日はイオと私の結納日。

 ラオ家に集まって、両家で契約書類を最終確認して、親達が役所へ提出に行き、私達はハ組で行われるお祝いの宴会へ。


 お祝いの宴会の仕切りはネビーで、イオは彼に丸投げしたから誰が来るのか分かっていないという。

 ただ、親しい友人達やその妻や兄弟姉妹となると、大体予想可能。

 私側のことは、ネビーからサエ、サエから私の母親という経由で進められて、母は「当日のお楽しみ」と私にあれこれ教えず。


 結果、予定時間にハ組に到着したらお祭りが行われていた。


「あいつ、便乗商売しやがった。あはは。もう祝言みたい」


「賑やかですね」


 屋台が出ていて、小物売りに輪投げと的当てのお店がある。

 そこに、甘酒売り、団子売り、蕎麦売りのお店まである。


「まずは幹事のネビー探しだ」


 おいでと言われてついていく。

 今日の私は我が家で一番高い訪問着姿。

 髪型は姉が練習してくれた流行りらしい複雑なもので、飾りもきちんと使用している。

 主役として変ではないよね? と緊張しながら歩く。

 イオは家伝統の一張羅だという、ド派手な着物姿なので並ぶとチグハグ。


「……なんかここだけ別世界なんだけど」


「うわぁ、野点ですね」


 朱色の傘が並ぶところで、知らない上品なお嬢様が抹茶を点てていて、お客さんが六人いる。

 それでその前に長椅子が並んでいて、人が座っているから、おそらく順番待ちだろう。

 後ろの建物を水屋にしているようで、そこから知っている女性が現れた。


「あっ、リルちゃん」


「ネビーさん、妹さんに野点を頼んでくださったんですね」


「俺の勘がネビーはあの中って言っている」


 二人で水屋になってそうな建物を覗いたら、チエとスズを発見。

 主役が来ましたと皆に紹介されて、イオと二人で「皆さん、ありがとうございます」とご挨拶。

 この野点の責任者はエイラというおっとりした女性で、彼女はリルの友人だそうだ。

 

「こんなに大きなお茶会を仕切れることなんてないので嬉しいです。精一杯、おもてなしします」


「……」


 イオがジーッとエイラを眺めて何も言わないので顔を覗き込む。


「あの、エイラさんはリルちゃんの兄を知っていますか?」


「ええ、もちろんです」


「あの、あいつはどうですか?」


「先程も二階で励んでいました」


 イオが、あっ、結婚指輪と呟く。


「……どうですか? とはそういう意味ですか。ええ、私は既婚者ですので、彼のお母上やリルさんに頼まれれば、友人やその姉妹さんを紹介することもあるかもしれません」


「大親友で、めちゃくちゃええ奴なので、どうぞよろしくお願いします」


 二階へ行こうと促されてイオと二人で階段をあがる。


「すとてときなお嬢様だから、ネビーさんにどうかと思ったんですか?」


「そう。絶対、あいつの好み中の好みだと思って」


 イオ曰く、彼の好みは私をすこし太らせて、もう少し癒しと色気を加えた雰囲気だと言われた。

 それで性格は、私のようにツンツンしない素直な女。

 

「チエさんとはかなり違いますね」


「チエさんはお嬢様で照れ屋だから多分そこは好みだろう」


 二階へあがったら、手前の部屋の扉が開いていて、立って窓から外を眺めているネビーを発見。

 片手に本なのだが、読まずに下を眺めて、微笑んでいる。

 格好が良いところのご子息みたいな着物に羽織りなのもあり、実に雰囲気のある姿なので、イオもたまにはああなったら良いのにと少しぼんやり。

 平凡な顔のネビーでこれなら、イオがああなったら凄まじく格好良いだろう。


「よぉ、ネビー。幹事のくせに引きこもりか? 勉強をするかお嬢様をエロ目で見るかどっちかにしろ」


 ん? とこちらを向いたネビーは、柔らかく微笑んで「イオ、ミユさん、おめでとう」と告げた。


「どうだ、俺のミユは、今日は百倍かわゆいだろう」


「ああ。良かったな。大嫌いから婚約に変化して。エロ目で見るなって無理。マジで勉強なんて手がつかない。こんなに揃えてくれて、俺の妹は最高だ」


 エロ目で見ていたって私の感心を返して欲しい。

 イオがネビーに近寄り、お前の好みの女はいるか? と問いかけた。


「好みの女しかいねぇよ」


「さっき、責任者のエイラさんと挨拶をしたんだけど、あの人は好みど真ん中だろう」


「おう。新婚さんで、旦那さんは幼馴染のお坊ちゃん。すこぶる目の保養。リル様だ」


「お前好みの女がどんどん売れていくぞ。さっさと見合いをしろ。それで二、三年以内に俺と父親仲間になろうぜ」


「あのなぁ。どこの親がこんな俺に大事な娘を渡すかって。半人前のぴよぴよ男なんて許さない」


 イオがなぜか私を見て、ネビーを顎で示した。こういうことかな。


「こほん。チエさんの親はきっと許したと思います」


「……」


 こちらを見たネビーは、不思議な目をして私を見据えた。


「俺もそんな気がしますが、申し訳ないけどかわゆい以外の感想がないんで。俺は女に目がないので、おっ、かわゆいって感想は山程抱くけど、その先は全然。多分いつか出会うんで。この人だーって人に」


「おー。なんか珍しく語ったな。どうした」


「今日もルル達がかわゆいから、俺は嫁より今は妹達がええ。出店関係の責任者はひくらしの若旦那だから挨拶してくれ。餅つきは祝言の時だ」


 他は勝手に集まって、お酒や食べ物を持ち寄って騒ぐ会にしてあるから、準備以外に自分の仕事はない。

 ネビーはそう笑って、イオの肩に腕を回し、とても嬉しそうに笑った。


「嫁さんを大事にしろよ」


「当たり前だ」


「まだお嫁さんではありません!」


 照れてそう言ったら、イオはしょんぼりして、ネビーにはドン引きみたいな顔をされた。


「おい、イオ。おっとり癒し系のようで違くて怖ぇよ。結納と祝言は似たようなのものなのに、あんな睨まなくても」


「そうなんだ。でもさ。ミユはそこがかわゆい。あんな感じから笑うと、ぐはぁっ! って心臓が掴まれる」


「惚気ろ、惚気ろ」


 私達は建物を出て、再度野点の責任者エイラと挨拶をして、次は手が空いた野点をしてくれている女性達。

 リルはがっつり働いているのでまたあとでということで移動して、次は出店の責任者であるひくらしの若旦那。

 彼と順番に出店を出してくれている人達にお礼を言って周り、輪投げ店をしてくれているネビーの家族と初対面。

 ご両親に妹夫婦、それから三人の妹。二人は双子みたいな母親似で、一人はリルと酷似している。


「あのイオ君がついに結納かぁ。そのうち親が勧めた女と結婚する。その時は面倒だからさっさと祝言って言うていたのに、ちゃんと結納なんだ。私、全然馴れ初めを聞いてないんだけど」


「俺も聞いてない。嫌われてて絶望的ってところで止まってて、いきなり結納会って言われて驚き」


 妊婦のルカとその夫が顔を見合わせて笑う。


「大嫌いから始まって、今は大好きなイオ君になりましたー! なぁ、ミユ」


「……それは夢ではないでしょうか。このくらいは、まぁ、と言いました」


 人前で言える訳ないでしょう! ということで、私はついまた可愛くない発言をしてしまった。

 このくらいと、両手で小さな丸を作る。


「……マジで? えっ? 俺、寝てた? めちゃくちゃキスしたのも夢⁈」


 何でこの人はこういう配慮の無い発言をするのだろうか。


「は、破廉恥(はれんち)な夢を見ないで下さい! 夢だから見るのは勝手ですが、それを言うなんて恥知らずです!」


 怒りたくないのについ。

 言われたこともだけど、怒ったことも恥ずかしくて逃亡。

 小走りで逃げたら、不注意で人とぶつかってしまい、甘酒が着物にかかった。


「す、すみません! つい浮かれて。しみになるので失礼します」


「お兄さん、ぶつかってきたのはお姉さんですよ」


 わりと身なりの良い男性が、平謝りしながら袖を手拭いで拭いてくれて、隣にいる男の子が私を軽く睨んだ。


「こちらこそすみません。甘酒を弁償します」


 お兄さんにご迷惑をかけてすみませんと謝ると、男の子は兄の背中にかくれんぼ。

 甘酒を買い直そうとしたけど遠慮された。


「こ、こほん。甘酒よりその、まぁ。あの。君の貴重なお時間を……」


「おい。黙って見てれば調子に乗るな。デレデレするのは許すけど口説くな。彼女は俺の婚約者だ」


 振り返ったら腕組みをしてかなり怖い顔のイオが仁王立ちしていた。


「……まさか。っていうかお嬢さん、大丈夫ですか? この人、あの火消しのイオですよ! ラオの息子の女たらし! おいこら。火消し一族内で好き勝手するのは勝手だが、外街のお嬢さんと遊ぶなんて最低ですよ!」


「はぁああああああい⁈ お前はどこの誰だ。ミユは俺の人生初で最後の恋人なのになんだその言い掛かりは。ミユを賭けて勝負しろ!」


「やめて下さい! 私は商品ではありませんし、自分で選びます! イオさんが負けてもこの方とはお見合いしませんし、イオさんが勝っても嫌なら婚約破棄します!」


 またつい、こんなことを。

 せっかくのお祝い日なのに……とまた逃亡。

 素直になって、二人で笑い合って、楽しそうなお祭り散策が良いのに。


「悪かった。怒らないでミユちゃん」


 後ろから手を掴まれて、思わず振り払ってしまった。

 イオは捨て犬みたいな顔をしている。


「……すみません。つい」


「いきなり手を掴まれたら怖いよな。ごめん」


「……」


「……」


 二人で黙って俯いていたら、よぉイオと知らない男性が話しかけてきた。


「なーんで主役が一人でそんな暗い……。一人じゃなかったな。取り込み中?」


「取り込んでない。浮かれて現実と夢がごっちゃになっていたし、ついついポロポロ失言してミユちゃんを怒らせただけ。謝ったら、次はどうするべき?」


「だそうですけど、どうしたらええですか?」


「いえ、あの。私にも悪いところがあったので謝って……どうするべきかと……」


「お腹が減っているとついってこともあるんでお昼はどうっすか? ネビーが頼んだから、リルちゃんが二人のお祝い弁当を作ったって聞いています。確か、野点のところ」


「弁当? ネビーから聞いてないけど」


「あいつのことだからド忘れじゃないか? 下手したら食われるぞ」


 ほらほら、いってらっしゃいと背中を押されたので会釈をしてイオと歩き出す。


「あっ。お名前を聞きそびれました」


「あいつはめちゃ美味な豆腐を作るルゥス。あのさ、ミユちゃん。いや、ここじゃない」


 野点のところの建物に戻り、仕事を終えたか休憩のリルと挨拶を出来て、お祝いの言葉を贈られて、お弁当について教わった。

 

「兄が二階で勉強しながら守っているのでどうぞ」


 二階へ行ってまたネビーと再会。

 彼はお弁当を食べていて、それを見た瞬間、大人しくて声も大きくないリルが、大声で「兄ちゃん!」と叫び、彼に近寄って、それはお祝い弁当だと怒った。


「えっ? 試験勉強に励む俺に弁当って言うたよな?」


「それは青い紐のって言うた!!!」


「そ、そうだっけ?」


「なんで旦那様は居ないの⁈」


「友人達とハ組見学……」


「旦那様が見張らないから!!!」


 一生懸命作ったのにと半泣きのリルが、走ってかめ屋まで行って、お祝い膳を買ってこないと絶交と口にした瞬間、ネビーは青ざめて「高級弁当を買ってくる!」と部屋から出て行った。


「あの、リルちゃん。気持ちは嬉しいけど、お弁当があることすら知らなかったから、俺らは近くに食べに行くよ」


「あることすら……それも兄のド忘れです! 許せんからええです。買いに行ってもらいます」


「かめ屋なんて高そうだから、万年金欠ネビーにはさ」


「兄は弟を見張るものです。旦那様が払います」


 あと、薪割りとお風呂の水汲みをさせますと、リルはぷんぷん怒りながら、お茶をご用意しますと退室。


「……ぷっ。ネビーがたまに言っていたけど、怒ったリルちゃんは怖ぇな。あはは」


「ネビーさんはド忘れさんなんですか?」


「そうそう。あいつは興味が無いことや、気もそぞろだとすーぐ忘れる」


 自然と仲直りというか、笑い合えて嬉しい。

 しばらくしたらリルが抹茶を持ってきてくれて、自分はまた当番だから後で編み物会でと笑いかけてくれた。


「編み物会もあるんですか」


 リルの顔が即座に怖くなった。


「それもネビーのド忘れか。あいつ。幹事なのに全然出来てねぇな」


「したいのに出世出来ないぞと、お父さんに説教してもらいます」


 編み物会は、リルが誘った人達だけでこの建物で行うそうだ。

 集合時間はお昼を食べ終えてまったりした後の十四時。

 リルが再度去ると、イオはそっぽをむいて、遠くを見ながら、私の名前を呼んだ。


「あのさ。本当にごめん。口が軽いから辱めたよな?」


「……直して下さい」


「はい」


「……」


「……」


「あのさ」


「はい、なんでしょうか」


「マジで夢? 大好きも、キスしたのも」


「……違いますが、あの場で言えません」


 こちらを向いたイオがパァッと明るい顔になり、両腕を広げた。


「それなら抱きしめてもええ?」


「……ここなら、人目はありませんので……はい」


 近寄ってきたイオの腕に抱きしめられて幸せ気分。


「ミユ……」


 そっとキスされてもっと幸せ。

 一回唇が触れたら、見つめられたので、照れて顔を背けながらなんですか? と質問。


「その表情、最高にかわゆいなと思って……」


「……ありがとうございます。あっ」


 十四時から編み物会なら今のうちにインゲのお見舞いに行かないと間に合わない。

 そうイオに伝えたら、自分も同じことを考えていたと笑いかけられた。


「もっとしたいけど夜までおあずけって自制してた。夜は覚悟しとけ。めちゃくちゃするから」


「す、するとは何をですか?」


「うんと抱きしめて大好きって囁くとか」


 悪戯っぽく笑ったイオに、つっかえながら「楽しみにしています」と伝えたら、彼は転がって、ジタバタし始めた。

 

「い、医者! 胸が痛い!」


「はいはい、行きますよ」


「待ってミユちゃん! 本当に無理! 痛い、痛い、痛い!」


 全く、落ち着きのない、静かに出来ない人。

 私は呆れながらイオの手を取り、行きましょうと声をかけた。

 私がかわゆくて痛い、辛いと言いながら、立ち上がったイオと歩き出す。

 最初は冗談だと思っていたけど、本人もそうだったようだけど、どんどん顔色が悪くなり、脂汗が滲んできたので、途中で火消しに話しかけて手助けしてもらうことに。


 イオは年上火消しに、結納会の日に具合が悪くなったとは言いたくないので、悪いけど婚約者と二人になりたくて仕方なくて、連れ出して帰らないみたいな伝言も依頼。

 私の家族には本当のことと、こっそり私を迎えに来て欲しいという伝言。


「ごめん、ミユ……編み物は後日……」


「そんなことはええです!」


 病院へ到着した頃には、イオの顔色は真っ青。


「っ痛! 多分これ、臓物がやられた。薬は……っ痛っ!!」


 インゲを噛んだ蛇がイオの足に噛みついて、驚いていたら逃げていった。

 イオの悲鳴を聞いた医者や介助師がきてくれて、彼は運ばれて意識消失。 

 お医者様にも不思議がられたのだが、イオは数時間で復活。


「こんなに早く薬が効くとは驚きです」


「体のつくりが特殊な火消しだからですかね?」


 親玉キツネ参上! とイオはインゲの病室に突撃。

 ミユから受け取った団子だったから、注意を無視してつい拾い食いしたから腹痛を起こして入院。

 そんな風に嘘をついて笑った。


「インゲ、一人じゃ退屈だろう。念の為、入院だから一緒に寝ようぜ」


「ええー。ミユちゃんがええ」


「そんなのダメに決まっているだろう。ニムラとクルスは明日、寺子屋だもんな。そろそろ親が迎えに来るのか?」


「はい」


「一回迎えに来たけど、イオさん達がまだで、約束したから絶対来るからまだ帰らないって言うた」


「俺は約束を守る男だぜ!」


 時々、さりげなくお腹をさすっているので、イオは多分我慢をしている。

 それでも心配をかけないように満面の笑顔。私はやっぱり、イオがこの子供に向ける優しい目や表情がすこぶる好き。

 

「私、今夜はインゲ君とイオさんの間で寝ます」


「……ミユちゃん今、なんて言った?」


 イオが顔を覗き込んできたので、さぁ、と肩を揺らして笑う。

 

「ミユちゃんの寝顔は見たいけど、お父さんとお母さんが今夜も泊まりにきてくれるから別々がええ」


「そうですか。それでしたら二人ですね、イオさん」


「……。ミユが、ミユちゃんが別人みたい。苦しい、苦しい、苦しい! 先生を呼んで! ミユがかわゆくて窒息死する!」


 クルスは先生を呼ばないとと信じたけど、インゲとニムラは呆れ顔で、ニムラに至っては彼を嗜めた。それで私に一言。


「ミユちゃん、イオ兄ちゃんってバカなの? この人のお嫁さんになって大丈夫?」


「このような人なので、私が隣で怒らないといけません」


「確かに」


 ここへクルスとニムラの迎えが来てお別れして、私の父も来て、先生に思っていたより重症と聞いて焦ったけど、顔色が良くてホッとしたとイオを労った。


「ミユさんがいる限り俺は死にません!」


 泊まりがけで看病したいだろうと、父は私に、母が用意してくれたお泊り荷物を渡してくれた。

 泊まるならお風呂屋は行きたいので父と行き、病院へ送ってもらい解散。


「命を助けていただいたばかりか、真剣な眼差しで深々と頭を下げに来た時から、きっと娘は貴方と共に生きると思いました。娘はもう嫁に出したと思っています。末長くよろしくお願いします」


 父からイオへのこの発言には少々うるっときた。

 私は今日からイオの婚約者だけど、彼が良く我が家に来て、仕事以外の時間は一緒のことが多いから、既にお嫁さんとの境界線は曖昧(あいまい)

 この日の夜、イオは私と布団を少し離して、心頭滅却とうるさくて、寝たら寝言もうるさくて、ごろごろ寝返りもするからうっとおしくて、私はやっぱりしばらく静かに暮らせなそうだと笑って、部屋の隅に移動して寝た。

またおまけ増やすかもしれません

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