お姉様の婚姻
狩猟祭が近づいてきた。
準備を進めるにあたり、そろそろお姉様たちに話をしないといけない。
でも、反対されてしまったら…
この計画そのものがなくなってしまう。
そして、私がここから離れることも難しくなる。
でも、私はあきらめられない。
図書室から借りた本で調べていた〔グリーズエア〕と言う国。
この国は、いろんな種族が争う事なく暮らしているらしい。
獣人族、亜人族、竜族、そして人族も。見た目の違いも生活習慣の違いも関係なく同じ国で生活しているなんて、想像がつかない。
でも、そんな懐の深そうな国なら、きっと気兼ねなく生きていけるんじゃないかって思った。
そんな事を考えていたら、お姉様の方から呼び出された。
すぐにお姉様の部屋に向かうと、お姉様から意外な話が聞けた。
「あのね、シルビア私の婚約が整ったの」
「え? お姉様の?
随分と突然ですね」
「うーん、それがねそうではないの」
姉曰く、お姉様の婚姻は結構早い段階で決まっていたのだそう。
ただ第一王子のフレデリックお兄様の相手が決まらないから、ずーと延び延びになっていたそう。
「それでは、お兄様はやっと決心なされたのですね?」
「ええ。
今朝、私がお父様に呼ばれて聞いた話によると、数日前にお兄様からアリシア様と一緒になりたいと言われたそうよ」
「よかった これで一つ問題解決ですね
それでお姉様のお相手は?」
「フィリオ国のジョージ第一王子よ
クレア様のお兄様」
「お姉様はフィリオ国へ嫁がれるのですね」
「ええ、この話が決まった頃
この国を離れる事にはさほど抵抗はなかったのよ。
あちらに行っても仲良しのクレア様もいてくれるし、ジョージ殿下ともお互いにある程度の好意は持っているつもりだったし…」
そうだったのか…
今までローザリアお姉様の事を知ろうとしてなかったな…
「でも、このところ兄妹3人でいろいろ協力してきたでしょ?
この関係がなんだか惜しくなってきてしまったのよ…」
それは私も一緒だ。
でも、お姉様はフィリオ国に行った方が幸せになりそうよね。
「それは私も同じ気持ちです。
でも、お姉様や私がいつまでもこの国にいない方がきっといろんな事が上手く回る気がしませんか?」
「そうかしら?
私達がお兄様を支えてあげた方がいいんじゃないかしら?
エドワードは当てにならないし、シャルルは体が弱いし…」
シャルルはナタリー様の息子で第三王子だけど、体が弱くって、今は転地療養中だ。
「フィリオ国で王妃になって
この国とより良い関係を築いてくれたら、お兄様にとっては力強い支えですよ?
それに、私だってずっとこの国にいる気はありません」
「え? シルビアどう言うことなの?」
勢いで言っちゃった。




