第二側妃
イザベラ様はもともと子爵令嬢で普通なら側妃など望める地位にはいない方でした。
あら? お兄様たちとご一緒すると、言葉使いが王女モードに入ってしまいますね。
いつもは前世を思い出し、脳内は平民モードで過ごしてるんだけどね。
それはさておき、なぜ側妃の座につくことが出来たすのか?
その理由がイザベラ様の魔力量でした。
彼女は高位貴族よりはるかに高い魔力を持っていたらしいのです。
お父様がまだ王太子だった頃、その時の王である私のお祖父様がたまたま洗礼式を視察していて、その時子爵令嬢にもかかわらず、2属性を持ちその上魔力量が測定不能になるハプニングを目撃したのがきっかけとなったとか。
そもそも属性は基本的に一生変わりませんが、魔力量に関しては体の成長や訓練で増減します。
普通洗礼式の判定は12歳とまだ成長段階て行われるため、騎士団や王宮で使ってる判定水晶玉よりは、小さい物を使っているんです。
なので、測定不能と言っても、後から大きい水晶で判定は出来たようですが…
でも、洗礼式で測定不能になる事など、今までなかったようで、お祖父様もとても興味をもち王妃候補に加え魔法を勉強できる環境を与えたみたいです。
イザベラ様もご自分にそこまでの魔力があるとは思っていなかったようですが、この時の体験があの方の価値観を根底から変えるきっかけとなったことは間違いないと思います。
それと低位貴族として苦労していた事が悪い方に影響したようです。
まあもともとの性格も多大に影響ありますが。
用は成り上がり根性と言うか…力こそ全て、私は妃候補でその上魔法も凄いのよ!
それがあれば少しくらい礼儀作法が完璧でなくてもいいでしょ?とか、少しくらい知識不足、勉強不足でも大目にみてもらえるでしょ?とか…
とにかくご自分に甘いのです。
そのくせ自分の不甲斐なさを棚にあげ、とても負けず嫌いで誰にでもライバル心を燃やし、マウントを取ろうとするのです。
その辺も常識がないですよね。
王太子妃候補の頃はそれでも、猫をかぶっていたらしいですが、そこはおつむの足りないお方ですから、だだ漏れで見る人が見るとすぐバレる程度の猫のかぶり方だったそうですけどね。
結局は貴族議会で、いくら魔力が強くても正妃の器には程遠い!
とすぐに正妃候補からは外され、まあ側妃の候補には残すか… みたいな空気になったそうです。
その後イザベラ様がこの事実にやっと気が付いたのは、お母様が正妃に決まり、婚約式が行われた後のようです。
お間抜けにも程があるあります。