エドワードの変わりよう
部屋にいたら、外が騒がしい
どうしたのかしら?
「エマリア、何かあった?」
「よく分からないのですが
扉の外に誰か来たようで…
いまエリーゼが見に言っております」
どうやら、エリーゼは侍女たちの控えの間の出入口から外の廊下へ出て見に行くようだ。
戻って来たエリーゼはなぜか慌てていて、
「シルビア様、外にエドワード様がいらしてて、ルイス達と言い争っています」
「え? エドワード?」
彼がわざわざ私の所まで来る事は今までありませんでした。
何事だろう?
でも、このタイミングならきっとセシル様の事よね。
「エマリア、エリーゼ私も侍女の出入口から外へ出て様子を見るわ」
「え! それは危険ですよ」
「大丈夫よ、今のエドワードは私に攻撃的ではない筈よ。
このところ2回程会ってるけど、何もないもの」
「でも…」
「どちらにしろ、このままルイス達に相手をさせるわけにもいかないでしょ?
外でいつまでも騒いでいたら、迷惑よ」
しぶるエマリアを説得して、3人で廊下に出ます。
「なぜ、駄目なんだ!
オレはシルビアに用があるって言っているだろ?」
「ですから、ちゃんと先触れを出されてから、こちらの意向をお聞きになってください」
「もう、ここまで来ているんだ、ちょっとシルビアに聞いてくれてもいいだろ?」
こんなやり取りを永遠にやっていたのか…
「どうしたんですか? お兄様」
私の声を聞いて、振り返ったエドワードは見たこともないようないい笑顔で嬉しそうだった。
「シルビア!」
その顔を見て、私もエマリア達もびっくりしてしまった。
「エドワード様が笑っている?」
後ろから小声でエリーゼの声が聞こえた。
私に対してどれだけいつも仏頂面なんだって話よね。
「シルビア 聞きたいことがあるんだ!」
「わかりました、ちょっとだけ用があります。
30分ほど後に、この前会った庭園でいかがですか?」
「わかった 待っている」
そう言って素直に戻って行きます。
それにはルイスがびっくりしています。
全く人騒がせな。
でも、変われば変わるものだ。
あんなに素直なエドワードを見たことのない私達は揃って驚いている状態だった。




