初恋を堪能してください
セシル様を見送ると、その足でお姉様の部屋へ向かいました。
エドワードがブレスレットを持っていた事。
お茶会の後で迷っていたセシル様を助けたのもエドワードだった事。
そして、エドワードがセシル様に恋をしている事をお姉様に報告しました。
お姉様も最後の件にはびっくりしていました。
「セシル様に恋をしたなんて…
エドワードは、ついこの前まで、あなたと婚約させろと騒いでいたばかりじゃないの。
どうなってるのかしら?」
「あれはただの気の迷いですよ。
今のエドワードの変わりようをお姉様にも見せたいですわ
だって、私を見ても何もしてこないのですから」
「まぁ!
あのエドワードがねぇ~」
「お姉様、セシル様をお兄様のお妃候補に推薦しようかとも思ったんですが、エドワードを刺激するのは、得策ではありませんよね?」
「そうね、少し様子を見ましょうか」
と言うことでお妃候補の件は保留です。
◇◇◇◇◇◇◇
私が部屋に戻り休んでいると、セシル様の護衛に付けていた分身が帰ってきた。
さすがに私の顔形のままではまずいので、少年に扮装させて、影護衛をさせていたのだ。
「ご苦労様、無事に帰宅したかしら?」
「大丈夫です。スパイ(諜報)魔法の鳥は置いてきましたよ」
そう報告を聞いた後、分身は魔法を解除しました。
今のところセシル様の身の回りは異常なしのようです。
次にエドワードですが、スパイ(諜報)魔法の報告では、セシル様の名前を呟き、ますます
悶え苦しんでいるようです。
それちょっと見てみたいかも…
まあこれで、エドワードの恋の相手はセシル様で確定のようです。
今のところ自分から行動を起こす気はないようですね。
って言うか、まだ自分の気持ちでいっぱいいっぱいなのだろう。
初恋の様だし、じっくり恋の悩みや葛藤を味わって下さい。
何と言うか、年下の私が言うのもなんだけど、シルビアとしては恋をしたことはないが、前世の私は成人したいい大人だったし、恋の1つや2つ経験済みだ。
前世の私からしたら、エドワードは弟と言う感じ、いちいち突っかかって来なければ、憎み合うこともないのだけれどね。
弟との結婚も無理だから、私との婚約なんて頭から消えたようで、それは良かったけど。
せめて初恋がいい形で落ち着く事は願ってあげよう。
私の時みたいに、無理強いをしたりせず誠実にあたってくれれば、少しは協力してあげてもいいけれど、何分相手のある事だ。
結局はセシル様の気持ち次第だし、私はセシル様の見方です。




