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王女様は家出を計画中  作者: ゆうゆう
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ブレスレット

「セシル嬢から手紙をもらって、私も城の落とし物の確認をさせたのだけれど、いまだにそれらしい物は見つかっていないの」


「そうですか… お手数をおかけして申し訳ありません」


「ねぇ、セシル様?

どんなブレスレットなんですか?

詳しく教えてもらえませんか?

その方が探す者も探しやすいと思いますよ」


「ブレスレットは祖母からもらった物なんですが…

花のモチーフを繋げたような金のブレスレットです

花の真ん中にルビーがついています」


「とても可愛らしいですね。

私も実物を見てみたいから、城の皆に声をかけてみるわ」


「そう言って貰えるとまだ希望がもてます。

私はついこの前まで隣国の母の実家で暮らしていました。

母が亡くなり父と暮らす事になり祖母が別れる時に私にくれた物なのです。

だから、出来れば見つけたいと思って」


「そうだったの。

離れているおばあ様のプレゼントなら大事にしたいわね。

ぬか喜びはさせたくないから、絶対に見つかるとは言ってあげれないけど、出来る事はしてみるから」


「ありがとうございます

こちらこそ王宮でなくした確証がある訳でもないのに、私の為にそこまで言って頂けるなんて…」


緊張は解けたみたいだけど、今度は感激して涙目になっているセシル様。


お姉様にはカリスマ性がありますものね。

その気持ちはよく分かりますよ。


「そのブレスレットを落としたのは、やっぱりお茶会後の事だと思う?」


「そうですね、アリシア様と一緒にいた時にブレスレットの話をしましたから、その時までは着けていたことを覚えています。

それから、アリシア様と別れて帰ろうとした時にご令嬢達に絡まれて、囲まれそうになったので、走って逃げたのですがその時が一番可能性があるんじゃないかと」


「そう、何人かの令嬢があなたに悪意を向けようとしたのだったわね。

それも気になっていたのよ」


「その時のご令嬢に見覚えはあります?」


「すいません、こちらの社交界はまだデビューしていないので、あまり知っている方がいなくて」


「そう。あの後伯爵家に何か言ってきた者はいました?

もしくは、セシル様にお茶会や夜会のお誘いが増えたとか」


「お父様は特に何も言ってなかったと思います

私宛には来てはないです」


話も終わりまた玄関までセシル様を送ります。


「帰りもシルビア様のお世話になってしまって申し訳ありません」


「そんな事言わないで。

お姉様が招待したお客様に何かあったら困りますもの」


外廊下を歩いている時に良いことを思い付きました。



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