広い王宮
次の日、私はルイスとエマリア達と共に南玄関に来ていた。
王宮は広い、門は正門、裏門、東門と3つあるが
普段は防犯上、正門のみ通行が許されている。
中に入れば、正面玄関から入る本館、その後ろに私達の住む住居棟があり、西側に騎手団の演習場と官舎があり、東側には文官用の官舎と魔法省の棟などがある。
本館には謁見の間やダンスホールなど大きな広間がいくつもあるから、歩くの嫌になる程の広さがある。
その後ろの住居棟だっていくつかのエリアに分かれている
働く者が住むエリアと、高位貴族の控えの間として割り当てられているエリア。
他国からのお客様を迎える迎賓エリア、そして私達王家が使うエリアだ。
私が知らない所もあると思う。
それくらい広くて分かり辛いのです。
だから門の中に入った後
建物の中に入る場所はいくつかあります。
外から王宮に呼び出しで来る場合、その入口を指定されます。
いくつもある入口には必ず護衛騎士がいる。
その日に来る来訪者の名簿が護衛騎士に渡されている、その名簿と照らし合わせなければ中には入れない。
王宮に来る者は、正門で確認され、建物の入口でも確認されて初めて中に入れるのです
入口に馬車が見えた、時間ピッタリにセシル様の馬車は到着した。
降りてきたセシル様は私を見てびっくりしている。
「まあ、シルビア殿下どうしてここに?」
私はニッコリ笑って答える
「こんにちはセシル様、今日はわざわざお越し下さりありがとうございます。
私はセシル様をお迎えに来たのですわ」
「そんな… 殿下自ら私をですか?」
「お気になさらないで、それより聞きましたわ。
この前のお茶会では2度も嫌な思いをさせてしまって、ごめんなさい」
2度と言うのはレオノーラに絡まれた事と、帰り際の令嬢達の事だ。
「そんな… シルビア殿下やローザリア殿下の所為ではありませんもの。
謝って頂くなんて、逆に申し訳ないです」
「ふふ、そう言ってもらえるとホッとしますわ。
お姉様が待っていますので行きましょうか」
私達は住居エリア手前にある公務の為のエリアの中の私やお姉様が使用する応接室に向かいます。
途中の外廊下を歩いていると「この先にある庭園にこの前迷い来んでしまったんですが、そのお陰でとても見事なコスモスを見ることが出来ましたわ」
「ああ、この前お茶会を催した庭園とこの東庭園は続いていますものね」
ん? 何か今引っ掛かった事があったけど、なんだろ?
まあ、いいや後で考えよう。
応接室に到着しました。
「お姉様、セシル様を連れてまいりましたよ」
私は開いたドアへ声をかけながら入って行った。
「セシル嬢、ようこそ
今日は呼び出してごめんなさいね」
「いいえ、こちらこそ私事を相談させていただきありがとうございます」
そう言ってセシルさまは頭を下げる。
お姉様に緊張しているようだ。
「さあ、座ってちょうだい
まずは3人でお茶を飲みましょう」
ソファーに落ちつき、お茶を飲みながら、他愛もない話をして緊張を解くことにしました。




