姉からの呼び出し
昨日のエドワードは本当にどうしちゃったんだろう?
あの後もスパイ(諜報)魔法は継続中です。
どうも食欲もないし、彼の周りも異変に気がつき初めているようです。
これはイザベラ様の耳に入るのも時間の問題だわ。
もう波乱しかなさそう。
巻き込まれなければ、あの親子のゴタゴタも見てて楽しい~、
今までの鬱憤が晴れる気分だわ。
なんて考えてたら、エマリアがお姉様が呼んでいると言ってきた。
お姉様に会うのは1週間ぶりだけど、ずいぶん久しぶりな気がするな。
この前はお茶会の為に2日に1回は会っていたものね。
お姉様に呼ばれただけで、ちょっとウキウキしている自分がいた。
ヤバいな~ この頃の私はシスコンでブラコンだ。
2人の為に自分を犠牲にするのも厭わないほどに…。
あと、計画まで2ヶ月もないのに気持ちが、心が、家族を求めている。
ここまで来てなぜ今?
いや、今だからこそなのか。
きっとこの葛藤に終わりは来ない。
◇◇◇◇◇◇◇
「お姉様、お呼びですか?
何かありまして?」
「シルビア、ずいぶん会ってなかった気がするわ
でも大して日にちは経ってないのよね」
あは、お姉様も同じ事を感じている。
そんな些細な繋がりがうれしかった。
「呼んだ理由はね、セシル嬢の事なの」
「セシル様?」
お茶会の終わった後、セシル嬢は何人かの令嬢に絡まれたらしい。
その時、令嬢たちから逃げて庭園で迷子になってしまった。
その時1人の男性に道案内をしてもらって無事に帰れたらしいが、後になって大切なブレスレットを落とした事に気づいたと言うのだ。
最初は家でなくしたと思って探していたそう。
でも見当たらない。
もしかしたらとお姉様に相談を持ちかけたと言う訳だ。
「お茶会に付けて行った記憶はあるから、もしかして王宮内で落としたかもしれないと、相談されたの」
「そうですか、ブレスレットを」
「ここ1週間の落とし物の内容は聞いたけど、ブレスレットはなかったわ。
一応彼女の通った場所も調べさせた。
こんな事言いたくないけど、アクセサリー類を落としたら戻らないと思った方がいいわよね」
そうなんだよね、王宮って言っても働いている人がすべて一流とはいかない。
この前私がサーチ(探索)を使った時に分かったけど、盗み食いや、ケンカ、サボリに逢い引き等々、ろくでもない事をする人間もたくさんいるのだ。
そんな所で高価なブレスレットが落ちてたら、絶対に猫ババするよね。
探すのは不可能かも…。




