2人の関係
お茶会の後、アリシア様には別室にて待機してもらっていました。
お姉様と部屋に入って行くと、座っていたアリシア様は弾かれたように立ち上がり、頭を下げます。
「そんなに緊張しないで、あなたには同情こそすれ、咎めるつもりはないわ」
お姉様はアリシア様に座るように促します。
3人で落ち着くとまずアリシア様はお茶会の時の非礼を詫びた。
「レオノーラ様の騒ぎの時に、わたくしも少し怒りに我を忘れていたようです。
ローザリア様の前で出過ぎた真似をいたしました」
アリシア様はあそこで自分がレオノーラを責めたのがお姉様の前だったのを気にやんでいる様子だった。
「それは、構わないわ、あなたがシルビアの為に怒ってくれたのも事実でしょう?」
「それは、王女殿下に向かってあのような態度は論外ですもの。
レオノーラ様は乱心したのかと思ったくらいです」
「あなた自身もずっとレオノーラ様に迷惑をかけられていたのではなくって?」
アリシア様は少し悲しそうに微笑みました。
「あの方はなぜか力や権力が全てと考えているのです。
それも自分だけの物差しで相手と自分を天秤にかけて…。
それで自分が格上だと判断すると、とたんに態度を変えられます」
アリシア様は随分レオノーラを分析出来ていた。
その分嫌な思いをする機会も多かったに違いない。
「かりにもアリシア様は公爵令嬢ではありませんか?
格下と言えばあちらの方では?」
「それが自分の物差しと言うところなのです。
あの方の頭の中では公爵と侯爵の格差より魔法の力のが優先されていたのでしょう」
「随分勝手な言い分ね」
お姉様がため息を吐かれる。
「アリシア様、あなたに対して随分ひどい噂がたっていましたよね?
あれもレオノーラ様のさしがねでは?」
「はい、レオノーラ様の手の者が流していたようです。
最初に聞いた時は、私は気にしていませんでしたが、侍女たちが肩身の狭い思いをしているのを知って、調べさせたところレオノーラ様の名前がでてきました。
最初はお妃候補の私を貶めたかっただけなのでしょうけど、私が直接その事実を突きつけた途端にあの方の態度が豹変いたしました」
アリシア様はその時の事を思い出したのか、少し顔に緊張感が走りました。
「私もいけなかったのです。
まだあの方の性格を知りませんでしたから、穏便にすまそうと下手に出た事が逆にレオノーラ様を調子に乗せてしまう結果になってしまって。
私を気弱で意気地無し、何かしても大事にはならないだろうと思い込んでしまわれて…
それから、何かと嫌がらせをされるようになりました」
調べて分かってる事もあったけど、アリシア様に改めて聞くとレオノーラはやっぱり最低な令嬢だったみたいね。




