カトリーナの暴挙(2)
「お止めなさい! 何をするのです」とお姉様。
そこへ
「お嬢様!」カトリーナの侍女が彼女を羽交い締めにします。
「ダメですお嬢様、落ち着いてください」
そう言ってなだめる。
私も手を離し、お姉様の側へ寄る。
「そこの侍女!この者は口がきけぬのですか?
どうしてこのような暴力を振るうのです?」
「は、はい」
そう言うとカトリーナが侍女の耳に何かを囁きました。
「あの、恐れながらお答えします。
お嬢様はお茶会から逃げて隠れていた所をシルビア様に見つかり、質問されたことにパニックになり、我を忘れて手を出したそうでございます」
うーんお茶会を逃げる時点でアウトな気もするし、絶対パニックとかそんな玉じゃないよね?
舌打ちしてたし…。
それに我を忘れて手を上げた割には的確にヒットしてましたけど?
「パニックになろうと、我を忘れようと、王女であるシルビアに手を上げて許されるとでも?」
お姉様が声を低くして怒ってますね。
「チッ!」
また舌打ち? マジですか?
これは相当ヤバいですね。
お姉様には今の舌打ち聞こえてたかな?
と顔を覗くと…。
ああ~、青筋たってますね~
しっかり聞こえていたようです。
「言い度胸ね!」
「この娘を閉じ込めて置きなさい
このまま、帰す事はできないわ!」
侍女も真っ青になっているけど、反論も謝罪も浮かばないようだ。
カトリーナ様は兵士に引っ立てられて、会場を後にした。
なんだか大変なことになったと周りは思ってるだろうな。
だってお妃候補者2人の失態。
それも2人とも、あろうことか王族に対しての不敬罪だもの。
今日は全て映像で残してあるし、言い逃れは出来ない。




