カトリーナの暴挙
侍女4はずっと会場内を探しているけど、見当たらないらしい。
変だわ、会場に到着したのは確認している。
不参加と言う訳ではないはず。
私はサーチ(探索)の魔法を、かけて探していく。
会場の端を歩きながら探していくと。
いた!
会場中央から斜め右奥の一番端の植え込みの陰。
私はゆっくり近づいていく、ミルビアに見える魔法はかけない。
シルビアのままで近付いて行く。
植え込みの陰にしゃがんでいるカトリーナに、上から声をかけた。
何も知らない無邪気な振りをして…。
「そこで何をしているの?」
バッと上を向いたカトリーナと目があった。
「チッ!」
え? 舌打ち?
私の顔確認したよね?
確認しておいて、舌打ち?
王女に舌打ちって、いい度胸じゃない!
私は聞こえなかった振りをして、再び問いかける?
「カトリーナ様よね? どうしてそんなところにいるの?
具合いでも悪いの?」
カトリーナは私を睨み付けて、しぶしぶ立ち上がった。
そのまま踵を返して、歩いて行ってしまう。
なに? 私無視されてる?
なにこの子…。
私は少し遅れてカトリーナの後を追った。
ちょうど前から、ローザリアお姉様がやって来るのが見えた。
私はお姉様に付いている分身に連絡を取り、お姉様にこちらに来てくれるように伝言を頼んでいた。
私はカトリーナに追いつき、彼女の手首を取った。
「待って! 話し掛けているのに、なぜ無視をするの?」
そう尋ねたのと同時にカトリーナは振り返り、私の頬をおもいっきりひっぱたいた。
何となく殺気に気づいていたので、手首を掴む前に防御魔法をかけていたから、痛くはないのだけどね。




