お姉様にお願いします
お姉様の部屋へ入って早速お兄様の婚約者候補の事を報告する。
お姉様もお妃選考の事は知ってても、詳しく聞いてなかったみたいで、驚いていた。
「と言う訳で、お姉様にお茶会を開催頂いて、その中で一緒にお兄様の相手を見極めたいのですわ」
「なるほど、シルビアの考えはよくわかったわ。
これはこの国の未来にとても重要な事だもの、王女としては手を貸さない訳にはいかないわね」
お姉様がやる気満々です。
「今、候補で残っている4人って、
アリシア・ブライトマン
カミラ・アドラム
カトリーナ・フロー
レオノーラ・オルコットだったわね?」
さすが 候補者も頭に入っているご様子。
「お姉様はこの4人の人となりをご存じですか?」
「そうね、表面上は知ってるけど、一人一人の考えまではわからない。
王妃としての覚悟や心構えなんて、見えないしね。
一番大切なのはお兄様をどう思っているかよね?
ちゃんと心を通わせられるだけの人かどうか…」
ウンウン 分かってらっしゃる。
一応、お姉様にもお兄様の心の闇を話した。
聞いている間とても悲痛な顔をされていた。
お姉様も思うことがあるらしい。
大なり小なり私たち兄妹に彼ら3人は影響されているのだろう。
いや、私たちだけではなくエドワードもだし、聞いたことはないけどナタリー様の所のマリアお姉様たちも。
マリアお姉様はもう他国へ嫁がれてしまってなかなか会う事もないから、2人の様に関係を築き直す事が難しい。
「お茶会を開くにしても、今日明日と言うわけにはいかないわね。
最短でも2週間後かしら?でもそれだと、周りから不満が出そうね…」
確かに何か行うときは1ヶ月の猶予をとらないと、準備や手続きをしてくれる侍従や文官から苦情が出そうだ。
大きな催しなら最低3ヶ月前から準備するものね。
今度の狩猟祭がまさにそれだ。
約3ヶ月後に開催予定の狩猟祭、その2週間後に収穫祭、どちらももう準備にかかっている筈だ。
そんな訳でお姉様の侍女たちにも意見をきいて、相談の結果三週間後に決めた。
「それまでの間に、キースに頼んで噂をひろげてもらっています。
もしかしたらお姉様の所にも何か探りにくる人がいるかもしれません。」
「わかったわ、そう言う輩をあしらうの上手いのよ、私」
よく知ってます。
私にはなかなか出来ない技ですよね。
「後、貴族院の方にも説明と根回しをお願いしています。
今回の事は1番早く決着をつけたいのが貴族院のお歴々だと思うので、反対はないと思いますが」
「そうでしょうね、あのタヌキ親父たちときたら、いつもいつも言いたい事言って煽るだけなんですもの」
さて、だいたいお姉様にも話は通ったわ。
後は当日まで、4人の周りにもスパイ(諜報)魔法を行っておこう。
イザベラ様の事、お兄様への陰謀と妃選び、私の家出計画等々なぜか、やる事がてんこ盛りになってきた。
自分で招いたこの状態だから、今さら愚痴を言うのもね。
だけど… はぁ~ もう引きこもってもいられなそうだし、すごい忙しいじゃん!
私はのんびりゆっくりスローライフを未来に求めているのに…。
めんどくさい事は嫌いなのに~。




