鑑定結果により引きこもりです
洗礼式後、お父様は直ぐに箝口令を引きました。
しかし、どこからか私が王族の癖に平民並みの魔力しかないと言う噂が貴族の間で囁かれるようになります。
私自身も最初の頃はショックのあまり寝込んだ振りをして、お茶会などにも出席せず、ひたすら引きこもっていました。
その間に私は突然難病に冒されて、伏せっていると言う事にされました。
本来は12歳の洗礼式が終わった王族は少しずつ公務にも出ないといけません。
お父様は私を不憫に思ったのか、病気療養という名目で公務や行事を免除してくれました。
父様としては、取り敢えず落ち着くまでほっといてやろうと言う温情だったか、病弱な王女と言う事で城の奥に隠すつもりか。
どちらにしろ塔に軟禁とかされなくて、よかった。
本当は追放してくれても都合がいいのだけど、身体はまだ子供だから、出来るなら何年かここにいられる方が有難いものね。
数年後、王である父様に正式に謝罪した。
そして最低限の公務とお茶会をこなした。
表向き家族には、ひたすら出来損ないの自分を嘆いている、可哀想な王女を演じてきた。
そんな私を王城内の侍女や官僚や騎士は、病気がちな可愛そうな王女と言う風に同情的で好意的に見る人が殆どだけど、たまに蔑んだように見る人や陰で悪意ある噂を流す人もいた。
その人たちは共通して第2側妃のイザベラ様の下で働いてる人だった。
彼女が私を悪く言っているのは間違いなかった。
そしてイザベラ様の息子であるエドワードも事あるごとに、私を攻撃してきた。
「まさか、ここまで出来損ないだとは、同じ王族として俺まで傷物にされた気分だ。俺の火属性の魔力は絶大だ、その上風属性も遜色なく使える。父上と同じく偉大なんだ。その俺の偉大さにお前と言う妹は汚点となっている」
知ったことか!しかも自分で自分を偉大って…
ホントにコイツはアホだ。
イザベラ様がバカみたいにエドワードを誉めるから、その気になっちゃって。
ぷぷぷ。
エドワードの魔力は偉大でもなんでもなく、同じ年の貴族令息たちよりは少しすごいくらいで、新人の魔道士たちとかわらないくらいの魔力量なだけ。
2属性って言っても、風魔法に関してはホントに微々たるものだ。
フレデリック兄様に比べれば、月とスッポン
雲泥の差である。なんと言っても兄様は聖光魔法が使えるしっ!
まぁ私の事は土魔法がちょっと使えるだけだと思ってるから、兄様に勝てない鬱憤を私に八つ当たりしてるんだろうな。
それに、出来損ないだと思ってる私にマウントして優越感に浸っているのだろう。
器の小さいヤローだ。
小さい頃はエドワードの言葉に凄く傷ついて、悲しみにくれてる演技をして、やり過ごしていたけど。
この頃それも面倒になってきちゃって、お年頃になって反抗期です。無視してやるってパターンに切り替え始めてるところ。
そんなエドワードの相手もあと少し、あと少しの辛抱だ…