アレクサ
私とアレクサは部屋に戻って話を続けた。
もうそろそろエマリアが起こしに来ちゃうから、アレクサに隠れてもらおうとしたら、契約してる人以外見えないって言うから、試しにそのままエマリアを部屋に入れた。
「シルビア様、おはようございます」
「おはようエマリア、ごめんなさい今日は部屋から出たくないわ」
「あら?どうされました?熱でもありますか?」
エマリアはベッドの側まで来て、私の額に手を置いた。
アレクサは枕の横にいるけど、本当だ見えてない。
「熱はありませんね」
「でしょうね、ちょっと疲れてるだけなの。
でも気分が滅入ってる… いつものよ。」
「なるほど」
エマリアは眉をひそめました。
要はエドワードの所為で気分の落ち込みが直らないのよって意味なんです。
だから、エマリアはきっと昨日のエドワードを思い浮かべて嫌そうにしたのね。
あの後エマリアはとても憤慨してたもの。
この後お昼頃までゆっくりしていいってエマリアから許可をもぎ取った。
エマリアが部屋から出たら、防音魔法をかける。
盗聴防止と違い音が外に漏れない。
盗聴は何か話してるけど、理解されないって魔法なので、話してるのは音として漏れてしまう。
部屋に一人でいて、喋っていては不審に思われるから音が漏れないようにしなくちゃ。
さあ心置きなく引きこもろう。
とりあえず、ソファーに座りストレージ(収納)から果実水と、サンドイッチ、スコーンを取り出した。
仮病の為にエマリアには朝食は要らないって言っちゃったのよね。
さてと。
「アレクサは何が好き?人間の食べ物は食べれるの?」
《ぼくはお菓子が好き~、でも妖精は食べ物要らないの契約した人の魔力をもらうの》
アレクサ曰く、妖精は契約したら、その人間の魔力をもらって、生きれるらしい。
人間の食べ物も食べれるけど、嗜好品に近い位置付けなんだって。
人間と契約してない妖精は自然の力をもらって生きてるらしい。
凄く興味深いわ、それとなぜアレクサがあんなところにいたかと言うと、もともとは隣国の外れの森にいたらしい、ちょうど境界線のある森かな。
鳥の形になって遊んでたら、大きな鳥獣に拐われたらしい。
そしてこの国まで連れて来られた。
何かの拍子にくちばしから落ちてあそこでうずくまっていたと言う訳だ。
あれ?
私は1つの疑問が浮かんだ。
「ねえ?アレクサはこの国とあなたのいた国の間に結界があるの知ってる?」
《知ってる~ だからいつもはフィリオから出れないもん》
そう、私の疑問はアレクサを拐った鳥獣はどうやってそこを越えたのか? ってことだった。
《そんなの簡単なの~》
アレクサはあっさり私の疑問を払拭した。
曰く、結界はとても巨大で維持するのにも、両国の魔法使いが日々頑張っている。
ただ高さに関しては限度があって、ある一定の高さ以上は非常に弱くなってしまっているらしい。
それでも普段はそんな高さまで妖精は高く翔べないから問題ないが、竜族などの高位の空翔ぶ種族やその従属の鳥獣はとても高い位置を飛ぶので結界に引っ掛かりにくいらしい。
なんと!
いや~ 知らなかったわ。
アレクサありがとう。
そしてまだまだ知りたいことが山積みだ。
これからが本番ね。




