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王女様は家出を計画中  作者: ゆうゆう
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魔法を封印します。

洗礼式では、大きな水晶玉に自分の魔力を注ぎます。

そうすると、色や光を放つのですがその色で属性を、光の強さで魔力量を判定していきます。


私は3歳の時に覚醒してから、すぐに自分の魔力に自覚を持っていました。

それに私の魔法のなかには鑑定魔法もあり、洗礼式より先に自分の魔力も調べちゃっていました。


それによると聖光魔法のみならず、その他の属性もほぼ無理なく使えるほどで、その魔力量はこの国全員分に匹敵しそうな程、膨大な量でした。


こんなの知られたら、えらいこっちゃです。

この国初の女王陛下にされてしまう!


そしてきっとあのイヤなエドワードが夫候補ナンバーワンに名乗りをあげるでしょう。


それは絶対阻止しなければ!

前世では自由恋愛が常識の世界で育ったのです。

自分の伴侶は自分で決める。

それに幼い頃から決められるのも嫌。

まだ恋も愛も分からないうちに相手だけいるなんておかしいもん。


私は、自分で自分の魔力を封印し、出来損ないな王族を演じる決意をしたのです。


とりあえず使えたら便利そうな魔法だけ残して、来るべき洗礼式を誤魔化す準備をして、ほとんどの魔力を封印しました。


誤魔化す準備とは、まず鑑定に使うニセの水晶玉を作りました。

水晶は魔力を注いでも、土魔法の緑色に光りすぐに消えてしまうようにしました。


本物で鑑定すると、水魔法は青、土魔法は緑、風魔法は黄色、火魔法は赤、その他水魔法の中でも特別な氷は銀色、風魔法の中でも特別な雷は金色などがあり、そして聖光魔法は虹色に輝きます。


魔法量は属性色が仄かに光る~まぶしいほど光るまで、その光の強さで判断されます。


2つ以上の属性をもっていると、強く得意な順に色が変っていきます。


もとの透明な水晶玉に戻るまでの時間は人により様々です。


洗礼式は国民誰もが12歳になる自分の誕生月の第1日目に王立教会に集められ、順番に鑑定します。


しかし私の場合は王族なので、別日に1人だけ鑑定されるのを知っていました。

そこで、前日にこっそり水晶玉をすり替える事にしました。


これも私の魔法があれば不可能じゃないんですよ。



そして洗礼式当日、皆の前で私の魔法を注ぐと、偽の水晶玉は、うす緑色に輝き、ホタルのようにチカチカと瞬くとすぐに消えました。


場内騒然、お兄様は目を見張り、お姉様は泣き出します。

父様は顔を青く…いや青を通り越し白いかな。


他の人々も目を丸くして驚いている人もいれば、オロオロと取り乱す人や、慌てふためく者、クスクス失笑を洩らす者。


いや~

大変だな~と内心ではニヤニヤ笑っていたけど。

その場にいた人には私がうつむきショックで口も聞けず、小刻みに震えこの針の筵の上にいるような状態を耐えている悲劇のヒロインに見えていたでしょう。


これで私は王族なのにほとんど魔法が使えない出来損ないになりました。








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