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王女様は家出を計画中  作者: ゆうゆう
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闇属性の魔法

数日後、お兄様から連絡があった。

今日の昼食後に図書室へ行くから、偶然を装い落ち合おうと言う事だった。


私はエマリエに昼食後に図書室へ本を返しに行き、その後お姉様とお茶をする事を伝える、エマリエは今日の予定をルイスたちに伝えに行った。


借りた本はまだ全部読んでなかったので、夜のうちに魔法で全てコピーをして、写本を作っておいた。


その本はスペース(空間)の図書室へ入れてある。


イザベラ様の件で私の家出の計画は保留するしかない。

とりあえずは出来るだけ、情報をあつめて真相に近づき、このモヤモヤをスッキリさせたい。



◇◇◇◇◇


図書室に着くと司書に本を返しお礼を言う。


私は目ざとく奥の通路に目をやり、お兄様の護衛を確認する。

「あら?お兄様の護衛だわ」


「ええ、殿下がまた調べものをしに来てますよ」


「あら偶然だわ。挨拶してこようかしら」


出来るだけわざとらしくならないように気を遣いながら、私は司書から離れ奥に向かう。


お兄様の護衛のヘンドリックに声をかけた。

「殿下は2階の閲覧禁止区域へ足を運んでいますので、私どもはここで待機なのですよ。」


「閲覧禁止なんて、お兄様は大変なお仕事に関わっているのね? お邪魔して大丈夫かな?」


「シルビア様なら一般と禁止区域の境界の通路からお声をかければ、殿下は出てきてくれると思いますよ」


「そう。じゃあお邪魔しないように、少しだけね。

ルイスたちもここで待っていて」


私の護衛にも待機を命じて、私は奥へ進みます。


閲覧禁止区域へ足を踏み入れて、小声でお兄様へ呼び掛けます。


「シルビアこっちだ」

すぐにお兄様が、気づいてくれましてた。


「今、闇魔法に関する本をいくつか見つけたところだ」


2人で各々本を開き内容を確認します。


「何を調べる?」


「あまり時間がありません、闇魔法で相手を呪えるような魔法がないか、どうか…」


「呪いか…」


私はこっそりサーチ(探索)をつかいました。

ある本のうしろの方のページにチェックが付きます。

開いてみるとそこには闇の最上級魔法として、相手を苦しめて死に至らしめる魔法が載っていました。


「お兄様」

私は兄をよびました。


お兄様は私のもとへ来て、本を覗き込みます。


お兄様は何も言わず、すぐにこのページを魔法で写します。


「閲覧禁止の本は写したり持ち出しは禁止だけど、ゆっくりみたいし、ローザリアも気にしてるからね」


同意する意味で頷きました。


「私はもう戻ります。あまり長くなるとルイスたちが呼びに来るといけないので。」


「ああ、私はここを片付けてから、戻るよ

これはシルビアが持ってて、私は帰りに司書の検査を受けるから」

閲覧禁止を見たあとは、メモ書きなどを見せないといけないらしい。


私は受け取った用紙を小さく折り畳んでポケットにしまった。

用心のためにポケットからストレージ(保管)へ移動させておく。


通路を戻りルイスとヘンドリックに声をかけました。


「ごめんなさい、挨拶だけのつもりが話し込んでしまいました。お兄様はもう少ししたら、戻るみたいよ」


「シルビア様は禁止区域へ入られましたか?」


「いいえ、お兄様が出てきてくれたから」


「でしたら、その旨司書に言ってそのままお帰りになって大丈夫ですね」


「何かあるの?」

私は知らぬ振りで聞きます。


「閲覧禁止区域に入られると、その後軽い身体検査を受けますので」


「そうなの。初めて知ったわ。今日はエマリエが一緒でないし、図書室も今日は男の司書さんばかりだから、検査は困るわね」


「ええ、女性の司書を呼びに行かないといけなくなるところでしたね」


ヘンドリックは笑って言った。


まさか王族2人が自らルールを破るとは思っていないだろう。

心の中で頭を下げて謝っておこう。




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