表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女様は家出を計画中  作者: ゆうゆう
12/79

母の死

正妃であったお母様は私が9才の時弟を妊娠した。

年齢的に不安はあったものの、健康体で3人も出産経験のあるお母様の事は、みんなが問題ないと思っていた。


でも、出産を後3ヶ月後にひかえていた頃、原因不明の病に倒れられたのです。


高熱と、嘔吐や痙攣を繰り返し、食事もままならずどんどん衰弱していきました。

病の確定も出来ず治療も上手く進まず、皆が心配と不安を抱くなか最悪の結末を想像し出す頃、陣痛の兆しが現れる。

明らかに早産だし、母体が出産に耐えられるとは思えなかった。

医師や助産師が慌てる中、どうすることも出来ず母は息を引き取った。

生まれた弟もすでに息をしていなかった。


お父様は最愛の女性と子供を同時に失ってしまったのです。


もしこの時私が側に入れば2人を助けたかも知れない… いや自分の魔力が知られてしまっても、きっと私は助けていただろう。


だが、私はこの時この国にはいなかったのだ。

今思い出しても悔やまれる。

せめて同じ国に居れば、お母様の危機に気が付いただろう。



母が病に倒れる数日前に、私はお兄様とお姉様2人とそして、ナタリーさまと隣国へ向かっていました。


隣国で次世代の王族同士で交流を持つことになったのです。


王妃であるお母様は国を出るには、いろいろ手続きが複雑な上、妊娠中でしたのでナタリー様が私たちの引率をしてくださったのです。


余談ですが、なぜエドワードが1人だけ、いなかったかと言うとお兄様に剣の模擬試合を申し入れ、勝手に転び手首を骨折して療養中でした。


隣国と我が国は魔法の質がまったく異なっています。

隣国は妖精の血が流れていると言われていて、魔法は妖精の力を借りていると言われているのです。


なので国と国の境界線にはお互いに結界を張り、お互いの魔法が干渉しないようになっています。


何がどうまずいのかはよくわかりませんけど。


兎に角そんな訳で、隣国にいる間は我が国での情報を察知出来ないでいたのです。


お母様が病に倒れた知らせを受けて急いで戻ることになったのですが、その時にはもう陣痛が始まっていたとか、それから急いで王宮に向かったものの、時既に遅く、たどり着いたのは息を引き取ってから3日目の朝でした。もう私の聖光魔法も使えません。


私たち兄妹はどうすることも出来ず、ただただ涙にくれるしかありませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ