イザベラとエドワード
たった一度の関係で懐妊したイザベラ様は、もう天下を取ったような騒ぎだったらしいです。
しかも生まれたのが王子。
正妃のお母様には第1王子のフレデリックお兄様がいたけど、ナタリー様には王女のみ。
そこに、第2王子となるエドワードを生んだイザベラ様はまたまたナタリー様にマウントしては周りを引かせていたらしいです。
お茶会で散々嫌味と自慢を繰り返す日々で、その上至るところで次期王位継承はエドワードだと、勝手に吹聴しまくって、流石に周りに諌められたり、距離を置かれたり側妃としての立場を危うくする程の事になっていったのです。
はあー
まったく上に立つ王族のする事ではないですね。
イザベラ様がそろそろ出産を迎える頃、正妃の懐妊が、伝えられました。
そう。私が誕生する時期ですね。
私が女だと分かるまで、イザベラ様はやきもきしたでしょうね~
王子だったらライバルが1人増える訳だし。
でも私は王女だった。
なのに、どうしてここまで目の敵にするのか、不思議ですか?
それは私が魔力が乏しい出来損ないだから。
いくらイザベラ様がエドワードの才能を過大評価して、噂を撒き散らしても、本当の実力は覆らないでしょ?
どんなに威勢を張ったって、フレデリックお兄様の方が優秀だし、魔力だって到底敵わない。
そして、2人のお姉様たちにさえ、敵わないと言うのが現実。
そうです。エドワードはイザベラ様の膨大な魔力量を受け継げなかったのです。
イザベラ様はその事実を受け止められず、私を貶める事でエドワード様がさも凄いと思わせたいのでしょう。
そんなことに何の意味もないことは、常識ある人には分かるのに…
まあ、なんと言うかここまで、執拗に突っかかって来るのは、お母様がお亡くなりになってからなんだけれど。




