出来損ないの王女様
「シルビア お前少しは努力してみたらどうなんだ!」
思いっきり蔑んだような目で兄が言う。
エドワードは私の1つ年上で、この国の第2王子。
兄だけど、血の繋がりは半分だけ私の母は正妃だけど、
エドワードの母は第2側妃。父親は一緒だけど私たちは全然似てないし、仲は最悪。
私の父は奥さんが3人いる、私の母のマチルダは私の他に二人の子どもを生んだ。
第1王子と第2王女と私
私は第3王女シルビア·ベリンデル
第1側妃のナタリー様には第1王女と第3王子
そして第2側妃のイザベラ様の1人息子が第2王子のエドワードだ。
6人も兄弟姉妹がいるけれど、母親が違うから皆が皆仲が言い訳じゃないのよね。
特にエドワードは最悪、いちいち私に突っかかってくる。
面倒臭いやつ。
「おい、聞いているのか!」
うるさいな~
私は相手にしない。
そのまま無視して、急いで部屋へ向かう。
「出来損ないの癖に生意気なんだよ!」
後から声が追ってきた。
無視 無視 部屋に逃げ込んだ。
たまたまお姉様と温室でおしゃべりした帰りに廊下でばったりエドワードと遭遇してしまったのだ。
あいつは、私を出来損ないと呼ぶ。
このベリンデル王国は魔法が当たり前のように存在する。平民でも生活魔法程度は使える人が多い。
貴族たちは魔力も結構あるし、特に強い人は騎士団や魔法研究などに携わる。
そして王族は特別な魔法を使える場合が多く。
この国の王である父ハロルドは氷と風魔法の達人で神の域だといわれている。
その他にも土魔法も使えるとか。
普通は得意とする魔法は1つ。
いくつもあるだけでも凄いって言われるから。
お父様も凄い凄いって言われてる。でも特別な魔法は使えない…
お父様も結構気にしてると思うのよね。
第1王子フレデリック、兄様は特別な魔法である、
聖光魔法が使える。
これは、浄化や治癒等をミックスして、強化したような魔法。
これを使える事が王位を継ぐ条件に入ってくる。
お父様の時は兄弟誰も使えなかったらしい。
だから、第1王子で属性3つの父様が王位をついだのだ。
我が国にとって魔力の強さはとても重要だって事なのよね。
そんな国の王族にあって、私は平民くらいの魔法しか使えない… 事になっているのだ。
だから、エドワードは私を出来損ないと呼んで蔑む。
以前投稿していた「王女殿下は家出を計画中」と言う未完結の作品を改訂版としてあらたに投稿いたします。