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HALFWAY  作者: 風舞
3/3

プロローグ

始まりの戦争。



『みーつけた…』

「ひっ……!」


燃え上がる炎。逃げ道はない。


「た、助けてくれ…!」

『助ける……?アタシが?』


フッと笑みを浮かべて、また真顔に戻る。


『よく言えたものね…。…皆…アタシに…殺されるのよ』

「や…や…ヤメロォォ!!!」


振り上げられた剣。黒い羽と、赤い鮮血が舞い散る。


『アハハハハハハ!!!殺してやる!!!貴様等をっ……皆消してやるぅっ!!!』

「…そうは…いくものか…!」

『?!』


そこにいたのは、一人の老天使。そう、彼こそ…


『あら…?あなたは…、全てを見守る大天使?やっと…やっと、でてきたのね…?』


体中を血に染めた少女の眼が、殺意に輝いた。


「まさか…こんな少女が…こんな、戦争を…」


異変は、ほんの二時間くらい前に起きた。大天使…オーディンの体に、恐怖が突き抜けた。


何か来る。何かが…


予感したときには遅かった。一瞬にして、城を護る役目を持つ黒天使の殆どが殺された。


一体、何に?


とにかく、その何かが起こった場所へ向かうことにした。

「?!」


しかし、もうすでに敵の配下に城を囲まれていた。


単体では弱いが、数が多過ぎる。一体を倒している間に、後ろを捕られてしまう。ここでもたくさんの犠牲がでた。


傷ついた仲間を癒す白天使も、処置に間に合わなくなっていた。


二時間後…ようやく相手の所へ着いたと思えば、想像以上に屍が散らばっていた。


そんな恐ろしいことを…誰がしたかと思えば…



こんな小さな女の子が。



『私の…願い…天使を…お前等を…オマエラヲ…皆殺してやるっっ!!!』

「待て…!何故だ…!何故そんなに天使を嫌う…?!だって…だって、君も…!」


そう。少女の背中には、血に染まりながらも…ちゃんとあった。美しい…銀白色の羽が。


ニヤッ、と妖しい笑みを浮かべ、少女は剣を振り上げた。


『我が名はクラリス…銀白色の天使……。大天使…お前を殺せば…全て…!!』

「そうはさせないと言ったはずだ!!」


巻き起こる風。闘う二人。

あるはずのない姿。同じ、天使なのに――――


傷つけ、傷つく。


そんなのは………


「いけない……!!」

『うっ!!』


終わらせたかった。それだけだった。それなのに…


また、傷つけた。


オーディンの剣が、クラリスの腹を突き抜けた。


『くっ……!』


黒い血が溢れる。重傷…。


『く、そっ…!』


そういって、クラリスは空に消えた。



「……。」


終わった。普通ならほっとするはずなのに、どうしてだろう。


手の震えが止まらない。

人間と同じ。

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