幻の森の探索と質問?
ヤバノコを探すために幻の森の探索にでたゆん。
そしてその道中にであう質問をしてくるモンスター達。
ゆんは当たり前だが解答に困るこの質問をどう答えるのか。
そしてヤバノコは見つかるのだろうか。
#3 幻の森の探索と質問?
ゆんは幻の森に入ると、ファンタジーな雰囲気に胸が躍っていた。
ゆん「わぁ。見たこともないお花が咲いてる!それに、あの葉っぱは先が青色で根本が緑!」
日本ではまず見れないであろう植物がたくさん生えている。
しばらく意気揚々と歩いていると、なにか焦げ臭いような臭いがしてきた。
ゆん「なんだろう。何か燃えてるのかな?あっちの方からだ。ちょっと覗いてみよう。」
ゆんが木に隠れて臭いのする方をチラッと見る。
するとそこには背中の甲羅が燃えている亀がいた。
なかなかの大きさである。
亀はまるで火に薪をくべるように木の枝を口で折り、背中の燃えている甲羅に入れていく。
ゆん「あの亀さん、確か図鑑に載ってた!えーとたしか、、」
ゆんは図鑑を手に取り調べる。
そしてそのページを見つけた。
ゆん「これだ!ボンファイア・タートル。生命力の源となる背中の火は消えると死んでしまう。なので1日平均15回ほど燃焼物を甲羅に…入れている…。なんだか…大変そうだね。」
ゆんは数分ほどその亀を見ていた。
しばらくすると亀が呟く。
亀「そこの君。隠れていないで出ておいで?いるのはわかっているのですよ。」
ゆんは驚きのあまり尻餅をついた。
亀がしゃべったのだ。
ファンタジーなのであり得るのはあり得るのだが、突然のことなので理解が追いついていない。
亀「おや?私たちモンスターと会話をするのは初めてかな?そんなに驚いて、、。」
亀はそういうとその場に座り込み、ゆんがこちらにくるのをゆっくりと待っている。
ゆんは立ち上がり亀に近づいた。
ゆん「こんにちわ亀さん。隠れて見ててごめんなさい。私は違う世界からこっちにきたの。だからモンスターを見るのが初めてで驚いちゃった。」
ゆんが状況を説明すると、亀も少し驚いたように話をする。
亀「そうかい。なら驚くのも無理はないね。もしかしたら君は私たちモンスターの中で言い伝えられている夢人かもしれないね。」
ゆんは夢人とは何かときく。
すると亀は親切に教えてくれた。
亀「夢人というのは君みたいな人だよ。君はおそらくだけど眠りにつくとこの世界に来ていたんじゃないかい?」
ゆんは頷いた。
そしてこの世界に来ることになった経緯を亀に話した。すると。
亀「へぇ。神様に選ばれたのかい?それは面白い出来事だったね!…ということはこの世界には何か目的があるということかな?」
ゆん「うん。この世界の私のお母さんがね、足が不自由で辛そうだったの。だからカエルさんの力を借りて治してあげたいなって。」
亀が少し険しい表情になる。
その顔はまるで疑っている表情だ。
亀「カエルというとエクスドクタフロッグかな?」
ゆんは頷く。すると亀はまたも険しい顔で聞いてくる。
亀「そのカエルはね。私たちにとっても欠かせない存在なんだ。強欲な人間がカエルを乱獲したせいで、今、この森のお医者さんが少なくて困ってるんだ。」
ゆん「私は乱獲なんてしようとは思ってません!ただ少しだけ触手を分けて欲しいのです。」
亀はゆんの目を見てにっこりと微笑み、また言った。
亀「ふふふ。君の目は確かに嘘をついていなさそうだ。でもね君。あのカエルは本当に人間を恐れている。もしかしたら突然襲ってくるかもしれない。それでも会いたいかい?」
ゆん「会いたい!だってお母さんを治してあげたいもん!」
ゆんの言葉には強い意志を感じた。
それを感じ取った亀は最後にゆんへ質問をする。
亀「君の思いは伝わった。最後に質問していいかい?君は私のことを見てどう思う?」
ゆん「え?どうってどういうこと?」
亀「あ、ごめんね。わかりにくかったね。つまりなんだけど、私は人間と違う。これはモンスターだからとかそういう話じゃない。ここは幻の森と言われてるけど別名があるんだ。それは【悟りの森】。なぜそういう名前がついたのか。」
亀は話の途中でまた枝を折り、甲羅にいれる。
亀「実はね。私は1日に約30回ほどこうやって燃えるものを甲羅に入れないといけないんだ。」
ゆん「え!?30回も!?…大変なんですね。」
ゆんがそういうと亀は少し微笑み首を横に振る。
亀「大変か…率直な感想は第一声に出るものとはよく言ったものだ。でもね。それは違うんだよ。私があなたに考えて欲しいのはね。人間は甲羅に燃えるものを集めなくても生きていける。でもご飯は食べないといけない。私は飲み物やご飯は不必要、でも燃えるものをいれなければならない。」
亀は最後に真剣なトーンでいう。
亀「今から君は沢山の生き物と出会うだろう。そしてそのたびに人間の普通がどういうものかを考えさせられると思う。最終的にカエルにあった時、カエルの質問に答えられるかは君次第だ。たくさん考えるといい。」
そういうと再び亀は歩き出し遠くへ行ってしまった。
ゆんは亀に言われた人間の普通とは何かを考えながら歩くことにした。
またしばらくすると今度は木の枝にぶら下がってる何かを発見した。
ゆん「なんだろ。何かぶら下がってる。こう、、もり?」
ゆんが見ているとその物体は翼のようなものを広げ、ゆんのほうへ飛んできた。
ゆんは驚いて木の後ろに隠れた。
すると近くの枝にまた止まりこちらを見ている。
ゆん「あ、あの鳥さんも図鑑に載ってた。たしかテールバードね。」
テールバードは足がない。
その代わりに発達した手のような尻尾を使い、枝にぶら下がって休憩をする。
その姿はまるでコウモリである。
鳥「ヤァ、人間か!珍しいなぁ!何してたんだ?こんなところで。」
鳥は軽快に話しかけてくる。
ゆんは先ほど亀に説明したことをそのまま伝えると、やはりテールバードも顔をしかめる。
鳥「またカエル目的か。人間ってのは本当に強欲なんだな。」
ゆん「私は病気のお母さんを助けてあげたくてカエルさんにあいたいの。でもその前に清水を作ろうと思ってヤバノコをさがしてるんだ。」
鳥「ほぉ。たしかにただ狩るだけの乱獲者とは違うようだな!たしかヤバノコならこの奥にある洞窟に生えているって聞いたことがあるぞ。」
ゆんはその話を聞き、とても喜んだ。
そしてすぐに洞窟に向かおうとしたとき、テールバードが問いかけをする。
鳥「なぁ。【歩く】ってどんな感覚なんだ?ほら、俺たちには足がないだろ?だからさ。地面を歩いたことも走ったこともないんだ。」
ゆん「【歩く】感覚かぁ。普段から歩いているから分からないや。」
鳥「俺たちテールバードから出す【質問】はその歩くについてだ。考えておいてね、カエルにあったときに答えをきかせくれよな!」
風で左右にゆらゆら揺れているのが面白くて少しクスッと笑ったゆんは再び歩き出す。
ゆん「みたこともない生き物ばかりで面白いなぁ。ん?あれ?なんだろうこの音。水?」
聞こえてきたのは川の水が流れる音だった。
ゆんは川にたどり着くと早速水を手で触る。
ゆん「あれ?冷たくない。もっと冷たいかと思ったけど…ぬるいなぁ。あ、あっちの方に生き物がいる!どんな生き物だろう!」
川で水をのむ生き物を遠くに見えたゆんはその生き物の方へ向かう。
しかしゆんは途中で止まって川から離れて森の方へ戻る。
ゆん「そうだ。新しい生き物ばかりで面白いからって不用意に近づいたらダメだ。ここは森、熊がいるのは当然よね。」
ゆんが見たのは真っ黒い毛色の大きな熊だった。
幸い水を飲んでいたので、ゆんには気づいていなかった。
ゆんの心臓が少し早く動く。
冷静になったゆんはヤバノコの探索のために洞窟に向かうのを再開した。
10分くらい歩いたときまた新しい生き物を見た。
それは体の色が虹色の蛇だった。
蛇「人間。なぜここにいる。何しにきた。」
毎回同じ質問が飛び交うので、ゆんはすぐに返答できるようになっていた。
そして毎回お決まりのように少し疑い深い表情をされる。
蛇「なるほど。なら俺も質問をさせてもらう。夢人の答えは面白いものが多いからな。」
ゆんは唾を飲み込む。
毎回哲学じみた質問が飛んでくるのでどんな内容なのかと少し恐怖を感じるのだ。
蛇「俺の質問。それは、【遊ぶ】ことについて。」
ゆんはまさかの質問に驚いた。
遊ぶことについてなんて意識したことはない。
ゆん「蛇さん。どう言うこと?蛇さんも遊ぼうと思えば遊べますよね?」
蛇はそう言うことじゃないと首を振る
蛇「俺は手がないだろ?だからジャンケンもできないし絵を描くことも簡単ではないんだ。だからこれまで遊んだことが全くない。だからこそ教えて欲しい。」
ゆんはとまどう。
遊ぶということは自然の流れに近く、その時の気持ちで変わるのだ。
なのであれをしたいから遊びたいや、遊ぶことであれになる。
などといちいち考えるのはほとんどないから難しいのだ。
蛇「別に答えは今すぐ出さなくてもいい。ヤバノコが生えているのはもう少し先だ。洞窟の中は少し暗いから外が明るいうちに行くことをお勧めする。まぁまだ昼過ぎだから大丈夫だな。」
ゆん「わかった。ありがとう。」
ゆんは少し難しい顔をしながら歩いていると洞窟が見えてきた。
おそるおそる入っていくと確かに蛇の言う通り暗めだ。
しかしフツフツと明るい光が発光している。
近くによると苔が発光していた。
ゆん「綺麗だけどこれが目的じゃないの。ヤバノコはどこだろう。」
さらに奥へ入る。
入り口からざっと100メートルは入った。
ここまで来ると光が微かにしか届いていない。
持ってきていた懐中電灯であたりを照らす。
突然黒い影が視界を遮る
ゆん「きゃっ!なに!?モンスター!?」
ゆんは驚いたが隠れる場所がない。
壁に引っ付き少し震えながら光を照らすと、天井にコウモリが集まっていた。
そのコウモリもゆんにむかって問いかけてきた。
コウモリ「少女よ。何故にここにきた。ここは人間が望むものなどないぞ。」
ゆんは事情を説明してヤバノコの場所をきいた。
コウモリ「ふむ。わかった。案内しよう。だがその前に、ワシらから【質問】をさせてもらう。」
ゆん「…(やっぱりきた。何かのお決まりなのかな?)」
ゆんは少し疲れた感じでコウモリの話を聞く。
コウモリ「ワシらからの質問は【視界】。ワシらは耳が驚異的に発達し、壁からの反響音で位置を把握したりしている。それゆえに目が衰えていてな。色がわからないのだ。」
ゆん「なるほど、たしかに目はあまり良くないように見えます。でも人間じゃなくてもその質問はできますよね?」
コウモリは少し呆れた感じで言う
コウモリ「それがな。モンスターに聞いてもあまりろくな返事が来ないのだ。皆同じように質問を持っているからな。それに比べて夢人は自由だ。この世界にはないものも知っている。だからこそ答え合わせに最適なのだよ。」
コウモリは真剣になって最後の言葉を言う。
コウモリ「目で見て楽しむ。つまり景色を見た時の気持ちや色鮮やかなものを見る時の感情はどんな感じなのだ?ワシらは色と無縁だからの。」
ゆん「感動するよ。わたしもこの森に入った時、私のいた世界にはない植物やモンスターと出会ったからとても心が躍ったんだ。」
コウモリ「なるほど。歓喜、、というわけかな?」
ゆん「そうだとおもうよ!あとは絵を見ると考えたり想像を掻き立ててくれたりするね!」
コウモリは満足そうな顔をしてゆんをヤバノコの元へ案内した。
ゆんが到着したそこはすごく明るい、まるで宝物庫のような場所だった。
ゆん「すごいきれい!苔が部屋全体を照らしてピカピカしてる!あっ!あのキノコは!」
ユンが部屋の綺麗さに感動したのも束の間、目の前に透明なヤバノコが沢山生えていた。
いくついるかわからないのでとりあえず5本だけ抜き取って持って帰ることにした。
するとコウモリが言う。
コウモリ「持って帰るなら壁から苔を剥がしてキノコを苔で包んだほうがいい。この部屋から出たら外の空気をどんどん吸ってしまうからな。綺麗な清水を作るからより質を保っていたほうがいいからね。」
ゆんは言われた通りに壁からベリベリと苔を剥がしその苔をキノコに被せていく。
10分ぐらい作業してリュックに入れると、リュックが若干光っている。
ゆん「なんか変な感じに目立っちゃうねこれじゃw」
コウモリも少し笑って言う。
コウモリ「君に言っていた感動はどうやら本物のようだな。先ほど部屋に入った瞬間、心臓の音が少し早くなったのがわかった。つまり興奮したのだ。部屋の色、、綺麗さに見惚れてね。ワシらは答えが知れてとても満足している。ありがとう。必ずカエルに会って母親を治してやるんだぞ。」
ゆんは元気よくありがとうといって洞窟を出た。
そして急いで家まで帰る。
25分ぐらいしてようやく帰って来れた。
母親はゆんが帰ってきたのを見た時、ホッとしていた。
ゆんは早速水を汲んできて実験することにした。
ゆん「うまくいきますように。キノコの状態は良い。コウモリさんのおかげかな。よし。やるよ!」
ゆんは桶と布、瓶を用意して準備万端だ。
はたして綺麗な清水を作ることはできるのか。
そして亀、蛇、鳥に出された質問の答えを考え出すことはできるのか。
そしてカエルに会うことは!?
#3 幻の森の探索と質問?
〜次回予告〜
カエルに会うために清水作り励むゆん。
そして質問。
この冒険の終わりはちかい!?
閲覧ありがとうございます。
まさかこの僕が3話まで続けて書くことができるとは思ってませんでした。
こういうタイプの小説?物語は僕も思いつきで書き始めたので難しいですが、まだまだ続いていくので引き続きご閲覧よろしくお願いします。
(゜∀゜)