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まどろむとそこは夢物語  作者: オータムン
1/3

眠りと少女と謎の声

夢の中で冒険ができるっていいですよね?

そういったワクワク感やドキドキ感をかんじてみませんか?

少女の冒険、解き明かされる謎や頑張る姿勢などを書いていこうと思います。

絵本のようなふわふわとした雰囲気を目指しています。

とある町の一軒家に住む4人家族がいた。


その家族は父、母、姉、妹というごく普通の家庭である。


このお話は主に妹の【眠歩話ねむふわ ゆん】の物語である。


眠歩話 ゆん(※以下:ゆん)は10歳の女の子。


今日はお盆休みということで、家族と一緒に祖母の家に向かっていた。


父「朝早くからの出発だったからな。みんな疲れていないか?」


早朝の5時半に車で出発し福島県から大阪までの道のりだった。

途中に休憩を挟んだがざっと10時間ほどかかる。

父と母は2人とも自動車の免許を持っていたので交代しながらの運転だった。

姉妹は車の中で揺られながら何度も寝ては起きてを繰り返す。

当然疲れが溜まっていた。


母「もうすぐ着くからね。もう少しの辛抱よ。」


飛行機で行けば…新幹線ならば…と思う方もいると思う。

だがしかし…

飛行機はゆんが高所恐怖症なこともあり却下。

新幹線は料金が高く、両親ともに一般の小会社の社員なので、日々の生活費や子供の学費の支払いなどがあり、裕福ではないからという理由で却下となった。


ゆんはこの10時間の中でなんどもなんども起きては寝てを繰り返していた。


しばらくすると祖母の家へ到着する。

大阪といっても南の方へ行けばもちろん田舎だってあるのだ。


祖母の家に着くやいなや、祖母が家から出てきて迎えてくれた。


祖母「おやおや。はやかったねぇ。しっかり安全運転で来たのかい?」


父「もちろんですよ。お義母さん…早速で申し訳ないですが娘達を休ませてあげてもよろしいですかね?なに分長旅でつかれていまして。」


祖母は姉妹の方へ駆け寄り2人の手を持った。


祖母「おぉ。えみ(姉)ちゃん、ゆんちゃん。よくきたねぇ。つかれたでしょ?おうちに入ってゆっくりお休み。」


祖母はとても優しい人だった。

現役時代、人を支える仕事をしてきたので物腰が低く愛情であふれている。

【20代は大手企業の社長秘書・30代は看護師・40代から定年までは家政婦業社長兼社員】


どうやら目的地についたことで姉妹はどっと疲れが出たのか、うとうとし始めた。


家の中に入り姉妹を布団に寝かせ、両親は会話を楽しんでいた。


しばらくするとその会話をしているところにゆんがふらふらと歩いてきた。


母「ゆん?どうしたの?眠れない?」


ゆんは頷く。

その後、母の横に座りお茶を飲み、なにを話しているかわからない親達の会話を聞いていた。

すると父が張り切った様子で姉妹の自慢話をはじめる。

ゆんは少し照れながらも、祖母が嬉しそうにゆんの頭を撫でたり優しい笑顔で「すごいねぇ〜。偉いねぇ〜。」と言ってくれるのが嬉しかった。


夕方の6時【18時】を過ぎると祖母と母が晩御飯の料理を作りはじめた。

父はすでに祖父と晩酌を交わしている。

祖父は少し頑固なところがあるがとても尊敬できる人でもあった。

父の職業や会社での悩みなどを親身になって聞いたり、アドバイスもしている。


祖父は30代から定年まで人材会社の社長を務めていたのだ。なので人の悩みなどには的確にアドバイスできる人なのである。


ほろ酔いになってきた父達の前へ料理が運ばれる。

疲れが取れる成分がたっぷり入った料理だった。

メインには黒酢を使った酢豚、そしてさっぱりと仕上げた豚と厚揚げとナスの炒め物。

スープは祖母の味とも言えるたまごスープだった。

母がえみ(以下:絵美)を起こし皆で食事をした。


父と祖父はおつまみが豪華だ!などといって

テンションが高かった。

普通なら、うるさい!だったりおつまみじゃなくて家庭料理よ!などと母がいうのだが、今日は久しぶりに帰省したので母も軽いため息を吐きながらも笑顔だった。


30分ほどたつと料理はほとんどなくなっていた。

祖父も65歳とはとても思えないほどの量を食べていた。


祖父「はっはっは!えみちゃんゆんちゃんもいっぱい食べて大きくなるんだぞ?おじいちゃんは昔から良く食べてての。婆さんに食事代がかかるわ!って怒られたものよ!」


みんなが一斉に笑う。

父も負けじと食べてるが祖父には敵わず大敗していた。

祖父が父の背中を笑いながらバンバンと叩き、また晩酌を再開した。

姉の絵美は洗い物の手伝いをしている。

しかし、ゆんはまたうとうとしていた。

それを見た母がゆんを寝室に連れて行き寝かせる。


〜約1時間後〜

ゆんは目が覚めてしまった。

まだ夜の9時半。リビングに行くと絵美と祖父母がテレビを見ていた。

祖母がゆんをよび、4人でテレビを見る。

そのテレビ番組はお盆休みの特集で、

色々な職業の活躍してる人をインタビューするという番組だった。

祖父母はもともと人を雇う立場の人間だったため、こう言った番組をみると少し真剣な顔になる。


父は泥酔し眠りについていて、母も運転の疲れや料理疲れなどで眠っていた。

しばらくテレビを見ていた後、祖父が聞いてきた。


祖父「2人は憧れているお仕事とかはあるのかい?」


絵美とゆんは考えたが流石にまだ12歳と10歳だ。

答えは出なかった。

すると祖父は続けていう。


祖父「よいよい。わしは情熱を持って仕事をする人が大好きでな。そういう人間を見ると応援してやりたくなるのだよ。もし2人が将来やりたいお仕事ができて、そのお仕事に情熱を持てるようになるときっと人生楽しくなると思うぞ。」


祖父はにっこり笑いそう言った後残っていたお酒を飲み干し、寝室へ向かった。

祖母も片付けをした後眠りにつくと、ゆんだけが目を覚ました状態で布団に横になっていた。


ゆんはなにもすることがなく目を瞑るが何度も寝て起きてを繰り返していたため、なかなか眠れなかった。


そして2、3回起きては寝て、起きては寝てを繰り返し朝になった。


もちろん睡眠不足である。

母は心配していたが特に体調が悪いというわけではなさそうなので少し声をかけるだけだった。

そんなこんなで祖父母の家で2泊したのだが、3日目にはいとこの拓実たくみおじさんがやってきた。

ほかにも母の兄弟がもう1人いるが、祖父の会社を継いで忙しくしているためなかなか会えずにいた。


拓実おじさんはちょっと変わったお仕事をやっていた。

それはキャンプ場の管理人さんである。

拓実おじさんはアウトドアが大好きで、キャンプによく行っていると、知り合いに山を持っているが使っていないという人がいた。

その人と相談をして山を借りることになり、自らキャンプ場を作り上げたのだ。


お盆休みということもあり忙しく、代わりの管理人さんを見つけるのが困難だったため、帰省が遅れたと言っていた。

しばらく話していると拓実おじさんがゆんのことをみていった。


拓実「ゆんちゃん。眠そうだけど大丈夫かい?」


母は拓実おじさんに状況を説明した。

拓実おじさんはなるほどといって、1つの提案をした。


拓実おじさん「みんなで神社に散歩しに行かないか?いまのゆんちゃんにちょうどいい神様がいる神社があるんだよ。」


神様に向かって《ちょうどいい》という言葉を使うあたり自由で面白い人なのはわかる。

みんなは気分転換にその神社へ出かけることにした。


外はやはり暑かった。

この日は気温が35℃。それもお昼頃なので真上からの直射日光だった。

水分をこまめに取り15分ほど歩いた時、その神社は見えてきた。

拓実おじさんが神社の説明をした。


拓実おじさん「ここがさっき言ってた神社。その名も【日根神社】だよ。ここには枕の神様がいるんだ。安眠できると噂の神社さ。」


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※ここで出てくる神社は実際に存在しますが作り話ですのでご了承ください。このお話はフィクションです

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そういうと親族一行はお参りをする。

ゆんも祖父や祖母のお参り方法を見て真似る。

祈りを捧げたその時だった。


?『おなごや。そなた、疲れておるのう。』


驚いたゆんは目を開けようとするが体が動かず目も開かない。謎の声は続けていう。


謎の声『まぁまぁそうおどろくでない。わたしも久しぶりに話ができる人間にあったのだ。少し話をきいてくれないかの?』


ゆんは驚いてなにも言えなかった。しかし段々と落ち着いてきたので話をすることにした。


謎の声『おぉそうか!話を聞いてくれるかの!私は嬉しいぞ。…といいながら唐突なお願いなのじゃが…』


謎の声は少し気分が下がりながら話した。


謎の声『実は最近楽しいことがなくての。わしの声が聞こえる人間はごく一部で話すことも出来んのじゃ。そこでお主にはわしの娯楽になってもらいたくての!』


ゆんは何を言ってるのか理解出来ていなかった。

けど楽しそうな声に向かっていいよと言った。

謎の声はよほど嬉しかったのか、不思議な力で親族全員の運気を上げてくれた。

ゆんは謎の声(以下:声)と約束をすると額に小さなマークが刻まれた。

声は髪の毛で普段は見えないから安心せいといい、

概要を話す。

その内容はこういうものだった。


声『これからお主は1週間に1度、とても深い眠りにつく。その時、お主は夢の世界へ旅立つのじゃ。そこではこの日本とは違う、まるで御伽噺(おとぎばなし)のような世界にいくのじゃ。その世界では様々な事が待ち受けているから、お主にはその問題などを解決する主人公になって欲しい。わしはその姿を遠くでのんびり見て楽しみたいのじゃ。』


要約し、簡潔に言うと、夢をみるとそこはおとぎ話のような世界で、ゆんはそこで発生した問題などを解決するキャラになるということだ。

声の主はその姿をまるでRPGゲームをするかのように見て楽しむということらしい。

これだと睡眠と娯楽の両立が確約される。

ゆんは冒険する絵本が好きだったので喜んだ。

そして声が最後に『よろしく頼むぞ』といい、ゆんは目を開いて祈りを終わった。


お祈りが終わり、鳥居をくぐって外に出るやいなや、自分の睡魔が無くなり元気なことに気づいた。

親族たちは良かったと胸を撫で下ろす。

拓実おじさんは神様のおかげかなと言いニカッと笑った。


家につき、夕飯を食べ雑談をする。

眠くなってきて布団に入ったとき、またあの声が話しかける。


声『お。寝るかの?たのしみじゃなー。お主は一体どんな冒険をするのかのぅ。』


声は楽しそうに話すと、ゆんもうとうとして眠りについた。

ゆんは目を覚ますと何とびっくり。

全く知らない場所で目を覚ました。

ベッドは少し硬めで周りは木で出来た壁、近くにはおそらく、ゆんのものだと思われるリュックと帽子、服などがかけられていた。

ゆんはベッドから出ると部屋の扉を開けて別の部屋へ入った。

そこはリビングルームらしき大きな部屋だった。

そこにはユラユラと動く椅子に座って編み物をする女性がいた。

その女性はゆんが立ってこっちを見ていることに気づき、少し驚いた様子で聞いてきた。


女性『おや。驚いたねぇ。どうしたんだい?こっちへ来て椅子にお座り?そこに立っていては落ち着かないわ。さぁ《ユミル》?』


女性はゆんのことを《ユミル》だという。

ゆんはわけがわからず言われた通りにリビングルームの真ん中にある木のテーブルについた椅子に座る。

すると、ゆんはきづいた。


その女性はどうやら足腰が悪いらしい。

そこまで歳をとっているわけではなさそうだが、

少し観察していると咳をしたり息切れするのが早い。

女性はゆんの目の前に木製のマグカップをおいた。

すごくいい匂いがしたので中を見ると、ホットココアが入れてある。

ゆんはありがとうと言いココアを飲んだ。

女性はニコッと微笑み、編み物を続けた。

ココアを半分ほど飲んだ時、頭の中に声が聞こえた。


声『状況が理解できたかの?今回は初めてなので比較的簡単な冒険しやすい世界にしたぞ。今回君にやってもらう冒険の内容はこれさ。』


声がそういうと、目の前にゲーム画面のようなものが出てきた。

そこにはこう書かれていた。


_人人人人人人人人人人人人人人人人人人_

◎今回の冒険の目的

・森の中にある幻のキノコをさがす。

・そのキノコを無事に持ち帰りこの世界の

母に食べさせる。

・母の体調が良くなると冒険達成

_人人人人人人人人人人人人人人人人人人_


ゆんが画面の文字を理解した時、

再び声が聞こえる。


声『これから君は夢の世界へ入ると、こういった画面が序盤で出てくる。そこに書かれている目的を達成するのがわしからのお願いなのじゃ。ではわしは楽しみながら見守っとるのでな。頑張るのじゃよ。』


ゆんはなるほどといい、好奇心で満ち溢れていた。

だがしかし。ここで、この冒険は簡単すぎることはないことを知る。

そう。情報が少なすぎるのだ。

キノコといえど、外は森なのでかなりの種類がある。

下手に取ってきてそれが毒キノコの場合、母は倒れてしまう。

そうなると目的の達成ができない。

失敗するとどうなるのかと声に聞いたが反応はない。

ゆんはこれも冒険のひとつだと思い、まずは情報の収集から始めた。


これから、ゆんの夢物語が始まるのである。

はたしてゆんは無事目的を達成できるのか。


#1 眠りと少女と謎の声 END


次回予告

始まったゆんの夢物語。

情報集めは大変だがゆんははたしてキノコを手に入れることが出来るのか。

そして待ち受けるさらなる試練とは!?



ご閲覧ありがとうございました。

これからゆんの冒険が始まります。

少しネタバレ?ですが、姉の絵美も設定がありますので後に活躍します。

どんどん進む物語や謎ときなども書いていこうと思うので続きも閲覧よろしくお願いします。

(´∀`=)

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