35話〜戦争〜
「美味かったー! それで俺に何が聞きたいんですか? テルの兄貴!」
「う、うん……」
サクラさんの説得に応じてくれたイエロ君……食事を取ったら、ずいぶんと態度変わったな……
「呪術を使ってたのはイエロ君で間違いないんだよね?」
「俺です! はい、あれ苦労したんですよ!」
「変異種もだよね?」
「俺です! あれも苦労しました!」
「それをジャクソン君に預けたのも?」
「俺です!」
「何が目的だったの?」
「俺もジャクソンも目的は帝国に復讐することでした」
「帝国に復讐する為に何でこの国を?」
「それはですね……」
イエロ君は、ジャック王国に逃れダンジョンを築き隠れ住んでたとこをケイレブ公に発見された。ケイレブ公から帝国に対抗する為にと頼まれ、イエロ君はダンジョンをケイレブ公へ譲った。そのケイレブ公は自ら帝国領へとした為、追いやられたジャクソン君と手を組み、エルフィ王国を奪い帝国と戦うつもりだったと言う話だった。
「それでこの国を衰退させようとしてたんだ?」
「そうです! その邪魔をしてきたのがテルの兄貴だったので、先にサクラ様の仇を討とうと思ったんです」
「そうだったんだ」
「いやでもテルの兄貴がこの国にいるとは思いませんでしたよ! 俺もジャクソンもテルの兄貴が帝国のボスだと思ってましたから!」
「そ、そうなの?」
「あっ、でもジャクソンは、テルの兄貴ではなく、ヒカルが実は生きてるんだ、とか言ってたような」
「そ、そう……」
「いやー、でも失敗したけど、おかげでまたサクラ様の力になれそうで良かったです!」
「そうだね……」
「サクラ様! 魔王城奪還の為に俺も戦いますよ!」
「えっ? いや……」
「その前にじゃ、テル」
「はい?」
「デザートにパンケーキじゃ」
「デザート? 俺も! いただきます、兄貴!」
「はい……」
イエロ君はまだ魔王城を奪還するつもりみたいだな……もしかして、サクラさんもその気が?……
「美味ーい! なんですか? この美味いデザートは!」
「イエロ君の口に合ったみたいで良かったよ」
「イエロよ……」
「はい? サクラ様?」
「妾はもう戦うつもりはない」
「えっ? サクラ様……何故?」
「戦争で勝ち得る幸福などない……妾はそう思うておる」
「それじゃサクラ様は何をしてるんですか?」
「この国を見ておる、テルの進む先に平和な世界が起こるのか、妾は見守るつもりじゃ」
「サクラさん……」
ぼくの進む先? に平和な世界……ぼくには平和がどんな物かもよくわからないんだよな……
「そうですね! この国はしばらく大丈夫ですよ! 帝国は今獣人国と戦争するつもりみたいですから」
「えっ? どう言う事?」
「えっ? だから、帝国はそっちに忙しくて、こっちには来ないと……」
「獣人国と戦争……」
「あっ、でも、その為の装備とかを作るのをドワーフ王国が拒んでるとかで、そっちとも揉めそうでしたね」
「それで! マルスさんから聞いた話はそれでなんだ」
「マルスとは誰なのじゃ?」
「うん……」
「マルスとは行商をしておるのか」
「た、た、ただいま帰りました! て、テルさん! お、お邪魔してます!」
「テルさん! エリーちゃん送ってきました! あっ、お客さんですか?」
「うん、サクラさんの……」
「イエロじゃ、妾の知人じゃ」
「俺はイエロ!」
「あっ、マサです、はじめまして」
「サミーさんも帰ってくるかな? ぼく達は向こうを使うよ、イエロ君行こう」
「えっ? でもサクラ様……」
「行くのじゃ、ここは女子寮じゃ」
「そうでしたか! わかりました! テルの兄貴、連れてってください!」
「それじゃエリーちゃん、サクラさん失礼します」
今日は兵舎の空部屋に泊まって、明日ヒカルのとこへ行こう。イエロ君の事は……サクラさんに任せるしかないか……。
「心配はいらぬ、イエロは妾が見ておる」
「うん、サクラさん、それじゃ行ってきます」
「テルさん」
「サミーさん?」
「城下町に行くと聞いたので伺いました」
「うん、どうしたの?」
「この手紙をギルマスに届けていただきたいのですが」
「うん、ライリーさんにだね、預かるよ」
「お願いします」
サミーさん何かあったのかな? それはライリーさんに手紙を渡せば大丈夫かな。ヒカルに色々と報告しに行かないと……。
おざきです
貴重なお時間をわたしにいただき感謝します
お読みいただきありがとうございました♪




