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30話〜レオンの依頼〜

「よく来てくれたな、テル君! 早速だが話を始めよう」


「お願いしますわ、兄様」


「はい、レオンさん」


「ヒカルよ、少しはテル君に話をしてあるのか?」


「えー、ケイレブ公が来る事までわ」


「そうか、では、今決まってる事から話して行こう」


 ケイレブ公はジャクソン君の身受けに2日後エルフィ城を訪れる。その際、ケイレブ公と数人の護衛のみをレオンさんが国境からエルフィ城までを護衛、案内する事になっている。


「その後は2日間滞在、会談した後にジャクソンはケイレブを引き取って帰る予定だ」


「わかりました」


「だが、それは表に出すケイレブ公の訪問理由だ」


「どう言う事ですか?」


「そう言えば族に動きがあるかもしれないと言う事だ」


「族? マントの男ですか?」


「そうだ、どちらにしろケイレブ公は来る、私は予定通りに2日後国境まで迎えに行く」


「はい」


「そこでテル君、今日から、2日後私が国境へ行くまでの間、国境付近を見廻ってもらえないだろうか?」


「わかりました」


「頼まれてくれるか! テル君!」


「でもそれ、ぼく1人でですか?」


「1人の方が動きやすいのではないか?」


「そうですが、もし怪しい人物など見つけたりした時、その人物を追い続けると報告に行けない」


「そうだな、もう1人必要か……ギルドに依頼するか」


「わたしが一緒に行くわ」


「ヒカル?」


「ギルドには今ライリーくらいしかいない、ライリーには不向きだわ、わたしが行く」


「ヒカルではテル君に余計な負担をかける事になるのではないか?」


「大丈夫よ! わたしが戦える事は兄様だって」


「強さの事ではない、2日間王女を連れてとなると、テル君にかかる心労は……」


「その心配なら大丈夫です、初対面の人と行くよりヒカルとの方がぼくは気楽ですよ」


「そうよねテル! わたしが行くわ!」


「仕方ない……テル君、ヒカルの事も頼めるか?」


「はい、大丈夫です」


「ヒカル、無茶はするのではないぞ?」


「大丈夫よ兄様! 任せておいて!」


「2人共、それでは頼むぞ」


「あの、それで何事もなく2日後レオンさん達が到着したら、ぼく達はどうしたら?」


「ああ、その時は周囲を警戒しながら私達の後を追って来てくれ、城に着くまで頼む」


「わかりました」


「わかったわ!」


 ぼくとヒカルはすぐに準備し街を出る事にした。


「ヒカル、国境付近を見廻るにしても、どの辺りに行く?」


「そうね、とりあえずは国境まで行ってみましょう、車出してくれる?」


「そう言えば、ヒカルは鞄持って来なかったの?」


「サクラを封印してたやつ? あれならポールに持たせてるわ、ダンジョンまでの輸送に必要なのよ」


「そっか」


「それじゃ行くわよ」


「こんな見通しのいい道を走って目立たない?」


「そうね、森の中を行くわ」


 森の中を移動中、辺りをずっとサーチしながら進んだけど、特に変わった事もなく国境へと着いた。


「森から南東へはずっと崖続きね、ここから北西の海の方まで見て行きましょう」


「うん」


「ここまでの道中は何もなかったのよね?」


「魔蟲は数匹いたけど、それくらいだったよ」


「そう……このまま海まで持ちそう?」


「この調子で行くと、森を抜けて平野の道に出る頃には夜だよね?」


「そうね、森を抜ける辺りで休んだ方がいいわね」


「うん」


 国境の崖沿いの森を北西に降って行くと広い川へと出た。この川は海までと続いている。


「もう森を抜けるわね、大橋が見えてきたわ、どう異常無いしら?」


「うん、何もないよ」


「橋の辺りまで行けば、警備兵の村があるけど、この辺りで野営でいいわね?」


「そうだね、こんな時間に村まで行くと目立つだろうしね」


「それじゃ決まりね、テント張る?」


「車を出すよ、手間かからないし」


「うん、それでいいわ」


「お腹空いたでしょ? おにぎりとサンドウィッチどっちがいい?」


「サンドウィッチがいいわ、おにぎりはどうせ塩むすびでしょ?」


「うん……」


「食べたら先に休みなさい、どのくらい休んだら大丈夫?」


「2、3時間寝れば回復するよ、ありがとう」


「わかったわ」


「ヒカルも無理しないでね」


「大丈夫よ、何かあったら起こすわ」


「うん」


 何時間もサーチしながらは久しぶりで疲れたな……今は甘えて、少し休ませてもらおう……。


「……ル! テル起きて!」


「ん? ごめん、寝過ぎた?」


「まだ2時間くらいだけど、見て! こんな時間に橋を渡る馬車よ!」


「ほんとだ……馬車には……人は1人だけだね」


「御者以外には誰もいない?」


「うん」


「顔の見えるとこまで行きましょう」


「わかった」


 こんな夜中に国境を越える馬車……マントの男ならそんな目立つ事はしないと思う。でも怪しい行動に変わりはない、確かめに行こう。


おざきです

貴重なお時間をわたしにいただき感謝します

お読みいただきありがとうございました♪

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