28話〜準備〜
「えっ? マサ来てるの? 孤児院にいるのね?」
「うん」
フール村へのヒカルの用事はマサへの用事の様だ。
「オリビア、マサ来てるでしょ?」
「王女様、テルさんも……はい、今畑の方でエリーと精米されてます」
「こんにちは、オリビアさん」
「ありがとう、お邪魔するわね」
庭には蔵や遊具が出来ている。よく見ると孤児院の建物も補強されている。マサここへ足運んで色々としてくれてるんだな。
「マサ! もう精米は済んだの?」
「ヒカルさん! はい、丁度今終わったとこです」
「ここ、こんにちは! お、王女様、てて、テルさん」
「マサちょっといいかしら? 頼みたい事があるんだけど」
「車の事ですか? 預かった馬車なら、もう全部改良しておきましたよ? ポールさんに渡しておきました」
「ほんと? それは助かるわ……それと、ダンジョンに一緒に来てもらえないかしら?」
「僕がですか? いつですか?」
「明日からよ」
「わかりました……」
「頼むわね」
マサ……行きたくないのかな? 様子が少しいつもと違ったけど……
「それじゃテル、わたしは少しやる事あるから、明日はダンジョンにマサと直接来てちょうだい」
「えっ? うん、わかった」
「それじゃぼくも帰って準備するよ、マサ帰ろうか?」
「はい……」
やっぱりマサ元気ないな……それよりも昨日からヒカルの様子もいつもと違う様な、なんか忙しないと言うか焦ってる様だ……。
「テルさん、ダンジョンて遠いんですか?」
「えっ? あぁ、車で5時間くらいかかるかな、どうかしたの?」
「それでは、しばらく向こうで過ごすんですかね?」
「そうだね、毎日往復するのは大変だもんね」
「そうですか……しばらくは城下町にも来れなくなりますね」
「孤児院の心配してくれてるの? 大丈夫だよ、時間取ってたまに見に来よう」
「そ、そうですね! そうしましょう! 必ずですよ?」
「えっ? う、うん」
マサは暗かった表情に少し明るさが戻ったみたいだ、そんなに孤児院の心配してくれてたのか……
「それではテルさん、僕は帰って荷物の準備とかしますので」
「うん、それじゃまた明日」
「はい!」
まだ時間も早いしサクラさんは帰ってないみたいだ、ノトのとこへ行って来よう。
「テル、もう戻ったのか? もう話は決まったのか?」
「うん、明日ギルドの冒険者達を連れて朝出発する事になったよ、ぼく達はここから直接向かうよ、ノトもそれで大丈夫?」
「その話なんだが、またマルスが来る準備もあるだろう? それで長老と話をしたんだが……」
「そうか……うん」
「そのだな、長老は3兄弟をダンジョンへ連れて行ってほしいと言うのだが……」
「わかった、それじゃ明日から3兄弟を連れてくよ、この前マルスさん来た時と村もだいぶ変わったしね」
「あー、すまない」
「うん、大丈夫だよ」
「3兄弟の戦闘力は問題あるまい、本人達もやる気になっている」
「わかった」
「それとな……少し気になったのだが、ヒカルは大丈夫なのか? 元々考えるより先に動く性格ではあったが、なんと言うかな……」
「ノトもそう思ったんだ? 大丈夫だと思うよ、少し気負い過ぎてるのかな? うん」
「それならいいんだがな……ヒカルは今は子供の身体だ、テルの言う事には耳を貸すだろう」
「うん、ありがとうノト」
ノトも感じているみたいだ……明日ヒカルと話してみよう……
「帰っておったのか?」
「サクラさんおかえり、長老のとこへ行ってたの?」
「工房の絹は良いものじゃな」
「うん、サクラさんも気に入った?」
「そうじゃな」
「夕飯作るけど、サクラさん何がいい?」
「オムライスじゃ」
「はい……」
(珍しくパンケーキじゃなかったな、初めてかも)
「デザートにパンケーキもじゃ」
「はい……」
「明日から行く様じゃな」
「えっ? うん、行ってくるよ」
「兄弟共が騒いでおった、嬉しそうであったな」
「うん、3兄弟とマサを連れて行ってくるよ……はい、オムライスどうぞ」
「美味そうじゃ……妾も一緒に行くぞ」
「うん、えっ? ダンジョンに?」
「そうじゃ」
「しばらく向こうでテント生活になると思うよ?」
「その鞄でこの家を持って行かぬのか?」
「そうか……そうしよう」
(家ごと行けば色々と便利だな)
「テルよ」
「はい?」
「デザートはまだなのか?」
「はい……」
明日はサクラさんとマサに3兄弟、ぼくもいるから6人だな。村の食料を少し分けて貰って行こう。
おざきです
貴重なお時間をわたしにいただき感謝します
お読みいただきありがとうございました♪




