25話〜次のお手伝い〜
「テル待って! 謝る必要なんてないわ」
「えっ? でも……」
「そもそも何の説明も無しにわたし達を呼んだのサクラじゃない! なんでわたし達が悪いのよ!」
「そうだね……」
「もうよしましょう」
「それが良い」
「サクラ! あんたが言うなー!」
「ヒカル落ち着こうよ」
「フー、そうね……それでサクラ、あなた復活したからには平和にするのが使命よね? 何か考えあるの?」
「ヒカルとテルを呼び、妾の元へ来るまで考えておった」
「うん、それで?」
「このまま人々と睨み合っておるのが良いのではないかと」
「どうしてよ?」
「戦い勝敗を決すると遺恨を生む、相手を滅ぼしても、必ず仲間割れし新たな敵を生む、常に敵を作る、人とはそういう者であらぬか?」
「確かに……今もそんな世の中だわ」
「人が集まればそうなるものじゃろ?」
「もしだけど、サクラさん達魔王軍が人々を滅ぼしてたら、魔王軍も分裂して新たな戦争が起きたと思う?」
「起きたじゃろうな」
「そうか……」
「テル、本来の目的に話を進めましょう」
「うん、そうだね」
「ねぇサクラ、あなたダンジョンを作れる?」
「ダンジョンなら妾は城の隣に作ったであろう?」
「魔王城の隣にあったダンジョン! やたら強い魔獣が出てきた! あれサクラが作ったの?」
「そう言ったであろう」
「サクラさん、またダンジョンを作ってくれませんか?」
「何をするつもりなのじゃ?」
「わたしが説明するわ……」
サクラさんはまだ平和への使命を捨てずにいるのかな? 魔王討伐しか考えてなかったぼく達より、平和を真剣に考えて来たんだろうな。
「世界はそうなっておるのか……前にエルフが言っておった、魔族無くして人々は生きてゆけないと」
「どう言う事?」
「妾には解らぬ、が、今の世界の話を聞くとエルフの話は正しかったと思えぬか?」
「……」
「まぁ良い、ここにダンジョンを作れば良いのか?」
「作ってくれるのね?」
「必要であろう、妾が作ろう……条件はあるぞ?」
「聞くわ、条件て?」
「妾を人として生活出来る場を用意するのじゃ」
「テル、この村でいいかしら?」
「それがいいと思うけど……ノトに相談しないとかな」
「そうね……解った呼んでちょうだい」
「うん、とりあえず上に出よう」
「サクラ来なさいよ、それからちょっとツノ隠しててくれない」
「仕方ない」
「それじゃ呼んでくるよ」
「良い家ではないか! 妾ここに住もう」
「はいはい」
(ノトになんて説明しようかな……)
「テル! 無事だったか! ヒカルはどうした?」
「大丈夫無事だよ、皆んなももう平気」
「そうか、何があったと言うのだ?」
「うん……」
「テル無事だな! 良かったぜ」
「テル殿!」
「テツ、長老も、心配かけました」
「まったくだ」
「ノトちょっと相談があって来てもらえないかな?」
「あー構わん」
「皆んなはもう少しぼくの家に近づかないで欲しいんだ」
「いいだろう、長老、テツ頼めるか?」
「俺に話す約束だったろ? 俺は一緒に行くぞ!」
「ノト殿、私が引き受けましょう」
「すまない、頼むぞ」
「テル、そうゆー事で俺も行っていいな?」
「うん、テツもお願い、それじゃ行こう」
「それで相談とは何なのだ?」
「そーだぜ、家まで話せない内容か?」
「うん、会ってほしい人がいるんだ、今ヒカルと家で待ってる」
「そーゆー事か」
「誰なんだ?」
「2人共知ってる人、会った事はないと思うけど」
「よく解らんな」「あー」
「着いたし、とりあえず会ってみてよ」“ガチャ”
「ノト悪いわね、呼び立てて、テツまで来たのね?」
「俺が来ちゃまずかったか?」
「そう言う訳じゃないわ、座って」
「ノトだ、この村で長と呼ばれている」
「……」
「俺はテツだ、べっぴんな姉ちゃんだな」
「……」
「テル、この娘に会わせ話とはなんだ?」
「あっ、うん……」
「サクラあんた黙ってないで自己紹介くらいしなさいよ!」
「妾は人見知りじゃ……」
「解ったから早くなさい!」
「サクラじゃ、この家に住む事になった……」
「えっ!? ぼくの家に住むの?」
「妾はここでよい」
「テルと一緒に住むって事か? そーゆー話か?」
「ダメね……わたしから話すわ……」
ヒカルは今の国の状況、先日の呪術の事件の話などをし、今後のこの国にダンジョンが必要だと言う話をした。
「なるほどな、そんな事になっているのだな」
「解らなくはねーな、マサが城から持ち帰った資材もろくなもんじゃなかったしなー、で、その姉ちゃんが関係あるのか?」
「それで、このサクラにダンジョンを作ってもらう事になったの」
「姉ちゃんダンジョンが作れるのか?」
「なるほどな……先程の厳戒態勢……サクラと言ったか? 魔族なのだな?」
「魔族だって? ほんとか?」
「妾が魔族では問題あるのか?」
「そりゃ問題あるだろ? そのツノ見たらよ」
「お主はドワーフ族じゃな? 肌の色、尖った耳、充分に異形じゃろ? ツノと何が違うのじゃ?」
「……いや、しかしよ、魔族は魔獣を生むって聞いた事あるぞ? 危険はないのか?」
「ドワーフ族は技術に優れておるな? 武器を作るのは危険じゃないと言いおるのか?」
「いやよー、人に役立つ立派な技術だろ? 武器だって魔獣を倒すのに必要だろ?」
「魔獣は人の役に立たぬか? いらぬなら妾は魔獣は生まぬ、となるとダンジョンは魔獣を生む、作れぬな」
「しかしだな……」
「もういいでしょテツ! わたしは何も考えず、魔王討伐が平和と思いこんで戦った……サクラと話して反省したわ! 魔族を知らず、勝手に悪と思い込んでた事を」
「……悪かったな、姉ちゃん」
「良い、妾はサクラじゃ」
「ノトも言いわね?」
「テルが連れて来たのだ、この村に不満を思う者はいないだろう」
「ありがとうノト」
「そうよね! それじゃお願いね!」
「村長、世話になる」
「とは言ったんだけどね、いきなり国で魔族の話をするのも危険だと思うのよ」
「だろうな」
「でしょ? だからダンジョンも『作ってもらった』じゃなくて、『見つけた』の方が都合いい訳なの」
「なるほどなー」
「だから作る場所も選ばないとなのよね」
「帝国の事も考えたら、国境から離れた地の方がいんじゃねーか?」
「その後街に物資を運ぶとなると遠すぎてもどうなのだ?」
「そもそもよー、物資集めて何するんだ? 帝国と戦争すんのか? 武器作る為の物資でいいのか?」
「戦争は考えてはないわ、想定はしてるけど向こうから来ちゃった時のね」
「じゃ何作るんだ?」
「作ると言うか、目的はこの国に人々を呼び込みたいのよね」
「ダンジョン作るだけで冒険者は集まるだろうな」
「うん、だけどそれだけじゃなくて、お金持った貴族なんかも呼び込みたいのよ」
「ねーヒカル、この前国境近くに町が出来てたの見たけど、人呼び込むのは後にして、作ったダンジョン近くで冒険者達が休めるとか作った方がいいんじゃない?」
「そうだな、野営より宿があると助かるな」
「それよ! 街を作るのよ! ダンジョンの近くで、この国でしかない美味しい物が食べれる街だわ!」
10年振りに王女となったヒカルと再会したぼく。その王女の手伝いをしているぼく。今度の手伝いは街作りと決まったらしい……。
おざきです
貴重なお時間をわたしにいただき感謝します
お読みいただきありがとうございました♪




