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24話〜魔王復活〜

「いいわよテル!」


「うん! 〈リリース〉!」


 魔王を覆っていた氷が解けていく。ヒカルから受けたダメージもそのままだ。完全に解ける、動かない、でも倒れもしない、意識は戻ったのか?


「どうなのテル? 生きてる……のよね?」


「〈アナライズ〉! あ、あの時のまま、瀕死状態」


「……魔王、あなたわたし達の事見えてるわね?」


(確かに目は開いている……)


「テルにヒカルか……」


「「!!」」


「そうか……妾は封印されておったのか」


「そうよ! ちゃんと起きたわね?」


「もうよい……妾にとどめを刺すがよい」


「そうね……ちょっとテル?」


「テル……頼んだぞ……」


「えっ!?」


「〈ヒール〉!」“パァッ”


「どういうつもりじゃ?」


「テル!」


「魔王……もう戦う気はないですよね? いや、あの時も殺気はなかった」


「どういう事なの? テル?」


「ごめん、ぼくにも解らないんだけど、今こうしてみて思ったんだ」


「魔王あなた……どうなのよ? とりあえずここで暴れる気はない訳?」


「妾は疲れた……座っても良いか?」


「えっ!? あ、うん、ヒカル?」


「……そこに座ったらいいわ」


「……」


「で、何テルまで座ってんのよ?」


「そうだよね……お茶でも淹れて来た方がいいかな?」


「そう言う事じゃないでしょ?」


「だよね……」


「妾は紅茶がよい……」


「えっ!?」


「こ、紅茶ね? 上行って……あっここにキッチンあるんだった、すぐ用意するね、ヒカルは?」


「……コーヒー」


「うん、ぼくもコーヒーにしよう」


「魔王あなた、どう言うつもり? 大人しく座ったりして、話する気あるって事?」


「……」


「油断させて暴れるとか無駄よ? 聞いてるの?」


「妾は城におっただけじゃ……襲って来たのは其方じゃろ」


「どう言う事よ?」


「言ったままじゃ、事実じゃろ?」


「……」


「どうぞ紅茶、ヒカルはコーヒー」


「頂こう」


「魔王さん、解るの? このヒカルがあの時のヒカルだって?」


「えっ!? そう言えば……そうね」


「妾は10年程封印されておったのか?」


「あっ、うん、それも解るの?」


「何なの……」


「この世界は平和になったのか?」


「魔王さん、あなたは何を知ってるんですか?」


「平和になったって何よ?」


「妾が聞いておるのじゃ」


「……少なくとも人類と魔族の戦争は終わったわ」


「そうか……」


「……」


「魔王さん?」


「《サクラ》じゃ、サクラでよい」


「サクラさんお腹は空かない? 何か食べる?」


「ちょっとテル!」


「頂こう」


「魔王サクラ、いいかげん教えてくれる? わたしの事が解ったり、平和とか、何を知ってるのよ? 魔王って何なの?」


「痛かったのじゃ……」


「えっ!? 何?」


「痛かったと言っておるのじゃ! 妾が話をしようとしておるのに、切りかかって来たのはヒカルじゃろう!」


「えっ!?」


「よく思い出してみよ!」


「……」


「確かにそうだったかも……サクラさんどうぞ食べてください」


「わっ! パンケーキ? 嬉しいー! コホンッ……頂こう」


「サクラさん!?」


「何? 今のテンション……あなたパンケーキを知ってるの?」


「日本人じゃった……」


「「えっ!?」」


「日本人だったって言ってんでしょ? ヒカルとテルならそれで解りなさいよーっ!」


「「えーーーっ!?」」


 魔王サクラは元日本人? つまり……ぼく達と同じ転移者って事? どうなってん……落ち着こう……フー。


「つまり、サクラは元の世界で死んで、神様っぽい人にこの世界を平和にするよう言われ、チートな能力を貰って転生してきた、って事ね?」


「そうじゃ」


「で、何で魔王になったのよ?」


「そんな事サクラが知りたいわよーー! コホンッ……解らぬ」


「サクラさん楽に話したら?」


「魔王の風格を出しておるのじゃ」


「疲れないの? 聞いててわたしは疲れるわ」


「うるさいなー! 解ったわよ、もう……これでいいかしら?」


「ぼく魔王っぽいサクラさん好きだな」


「そうじゃろ? テルは解っておる」


「はいはい、もうどっちでもいいわ、で、何で魔族になったのよ?」


「知らぬ、ツノがあるだけで皆に魔族と呼ばれたのじゃ」


「魔族だからツノがあるんでしょ?」


「知らぬ、そもそも妾は人に言われるまでツノがあるとは気付いておらんかったわ」


「解ったわ、それでなんで魔王になったのよ?」


「ツノのある者達は皆差別され、奴隷の様に扱われておったのじゃ」


「うん」


「妾は平和はよく解らぬゆえ、ひとまずツノの者達が暮らしやすい様、チート能力を使い城を築き、ツノの者達を匿ったのじゃ」


「……うん」


「そのうちにツノの者だけではなく、人とは異業の種族の者共が多く庇護を求め集まってきたのじゃ」


「うん……それで?」


「それだけじゃ」


「それだけ?」


「そうじゃ……気がつけば皆から魔王様と呼ばれ、外から妾達は魔王軍と呼ばれていたのじゃ」


「それがなんで戦争になったのよ?」


「知らぬ、人々が攻めて来るから、妾は皆と城を守っておっただけじゃ」


「それじゃ魔王を討伐してその戦争を終わらせる為にわたし達が呼ばれたのね」


「それは違う」


「なんでよ?」


「ヒカルとテルを呼んだのは妾だからじゃ?」


「「えーっ!?」」


「仕方なかったのじゃ、そもそも平和の仕方が解らぬし、人々がしつこかったのじゃ」


「サクラが呼んだ? それじゃなんで魔王討伐なんてさせたのよ?」


「そんなの頼んでないわよーー! なんでサクラを倒しに来たのよ! こっちが聞きたいわー! コホンッ……何故妾を倒しに来たのじゃ?」


「ぼくだ! ぼくが魔王討伐って言ったんだ……」


「そう言えば……そうだわ」


「サクラさんごめん……」


 覚悟を決め挑んだ魔王の封印解除。予想だにしない展開、様々な事実。ぼくとヒカルは思考を維持するのがやっとだ……サクラさんもかな……。



おざきです

貴重なお時間をわたしにいただき感謝します

お読みいただきありがとうございました♪

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