12話〜1歩目〜
「ここよ!」
「思ったより広いんだね」
「王女様だー!」“ワィワィ”「王女様ー!」“ガャガャ”
(やっぱり慕われてるなぁヒカルは)
「わー、わかったから引っ張んないでー!《エリー》そこのテルに施設の案内してあげてー」
「は、はい! お、王女様!」
「……」
「て、テル様! こ、こちらへ!」
「あっはい、エリーさんでしたっけ? お願いします」
「え、エリーです! おおおお、お願いします!」
(……緊張してるのかな?)
「こ、この建物は! い、1階は……………」
1階は食堂やリビングや風呂場、院長先生の部屋に図書室なんかもある。2階は子供達の部屋になっているらしい。
「こ、ここは畑です!」
(畑……何も作ってないのかな、? そっちは?)
「そっちの建物もここの物ですか?」
「ははは、はい! そ、そこは……」
「そこはね、馬小屋だったのよ」
「ヒカル?」「お、王女様!」
「エリーありがとね、みんなと食堂で待ってて」
「ははははは、はいっ!」
「前はね、馬10頭いて馬車や馬を貸して生計を立ててたのよ」
「前はって事は?」
「うん、人の往来も減って、冒険者も減って、馬はみんな売ったのよ」
「そうなんだね……さっきのエリーさん? は、院長じゃないよね?」
「エリーはここで1番年長の子、院長は今部屋で横になってるわ」
「病気?」
「子供達に食べさせるだけで自分は食べてなかったみたいなの」
「食料足りてないの?」
「パンだけならまだなんとか」
「うん、わかった……ご飯作ろう」
「? 今だけ食べれたって」
「院長先生は起きてるのかな?」
「……たぶんね」
(みんな食べる事を我慢し過ぎて来たんじゃないかな?)
“コンコン”「院長入るわよ」
「こんにちは」
「王女様……ごめんなさい」
「いいわ、それより身体はどうなの?」
「はい……少しは」
「院長先生ちょっといいですか?」
「はい? あなたは……?」
「テルよ! わたしの家庭教師よ」
(……いつから? まぁいいや)
「〈アナライズ〉」(状態、栄養失調……怪我もしているみたいだな)
「〈ヒール〉」(栄養失調は治らないか)
「どうですか?」
「治癒魔法?! ありがとうございます、身体の痛みがなくなりました」
「さすがテルね!」
「あとこれを」
「?! フルーツ? えっ、でも……」
「魔法では栄養失調は治せないので」
「いただきなさい!」
「……はい」
「まったく、あなたが倒れて子供達に迷惑かけたら元も子もないでしょ?」
「……ごめんなさい」
「院長先生、動けそうですか?」
「はい」
「それじゃみんなご飯作るの手伝ってもらえますか?」
「! はい!」
「わたしも手伝うわよ!」
「うん、お願い」
「先生ーだ!」「先生ー」「治ったのー?」
「ごめんなさい、もう大丈夫ですよ」
「はい! ご飯作るからみんなで掃除と片付け終わらせてねー」
「王女様ご飯作ってくれるの?」「はーい!」
「ご飯作ると言ってもパンくらいしか……」
「これ使ってください」“ドサッ”
「?! えぇっ! 野菜、お肉も……これはなんですか?」
「? これ? 卵ですよ」
「卵? 初めて見ました」
「ねー、驚くわよねー? テルいつも持ち歩いてるの?」
「鞄に入れとくと腐らないからね」
「先生スープ作れます?」
「えっ、はい!」「野菜いっぱい入れてねー!」
「ぼくは何にしよ……」「テルはパンケーキね!」
「ヒカルが食べたいだけなんじゃ……」
「いいでしょ?」「……はい」
「わたしはゆで卵のサラダにしよっと!」
「……こんなに使ってしまって……いいのですか?」
「このくらいはこれから毎日食べるんですよ!」
「!」
豊で平和な暮らし、美味しい食事を当たり前に食べれる事は欠かせないと思う。その為に努力することも当たり前であった方がいい。
「ご馳走様でした!」
「どう? おいしかった?」
「おおおお、美味しかったです! ぱ、パンケーキ! ししし、幸せです!」
「こんなご飯これからは毎日みんなで作るんだよ?」
「?!」
「ヒカル、先生も一緒に畑来てくれる?」
「テル! 畑やってくれるの?」
「エリーにも教えておく?」
「そうね! エリーも来て! あとはみんなお片付けお願いね!」
「は、はい!」
「ちょっと待ってね、先に土壌を作るから」
(この広さなら魔石足りるな、砕いた魔石を撒いてと)
「〈アースカルチヴァイト〉!」“ドドドドド”
「わー! もう畑が!」
「よし出来た! それじゃあとはみんなでこれを……」
「わ、わかりました!」「はい!」
「エリーみんな呼んで手伝ってもらいましょう」
「はは、はい先生!」
「テルすごいわね! これで育つの?」
「うん、土の中に出来る根菜なんかは明日の朝には出来てるよ」
「! そんなに早いの?」
「うん、これで毎日野菜食べても余るんじゃない?」
「……ねぇ、あっちも全部畑にできないかしら?」
「馬小屋とその周り? 今手持ちの魔石使い果たしたから無理かな」
「魔石がいるの?」
「うん、魔石が肥料みたいなもんなんだ」
「……わかったわ、魔石ね」
「みんな終わったみたいだね」
「テル様、これで大丈夫でしょうか?」
「テルでいいですよ、はいこれでこの辺りは明日には収穫出来ますよ」
「テルさん、ありがとうございます」
「いえ、王女の手伝いですから」
「王女様ありがとうございます」
「いいのよ、これからはあなたもちゃんと食べるのよ?」
「はい! あの、パンケーキの作り方教えてもらえないでしょうか?」
「あっ、あれはさすがに卵使うのよね」
「そうか、そうしよう! 卵もいるね!」
「そうなんですね」
「ヒカル、明日お城の人何人か借りれる? 力仕事出来る人!」
「何かするの?」
「あの馬小屋使って、ここでも卵食べれるようにしよう!」
「! 出来るの?」
「たぶんね」
「それじゃ先生、明日また来ます」
「はい、ありがとうございます! あの……お、《オリビア》です」
「オリビアさん! それではまた明日」
(コッコ達50羽いたから、半分こっちに)
「遅くなっちゃったわね、今日は泊まってく? 部屋あるわよ?」
「1時間で帰れるから大丈夫だよ! ありがと」
「えっ? まぁいいわ、明日外町で作業してる兵士に声かけて、手伝う様言っとくわ」
「うん、ありがとう! それじゃ!」
ヒカルとの再会、平和への再挑戦。ヒカルと孤児院を建て直す事でその第1歩となると思う。
おざきです
貴重なお時間をわたしにいただき感謝します
お読みいただきありがとうございました♪




