破壊者②
わたしが人間を超えた身体を手に入れた翌日のこと。
「もしかしてスズキ―ちゃん!?」
「あ、ラュォゾだ。随分変わったね。」
「スズキ―ちゃんも変わった。」
おー、ラュォゾとは4年ぶりの再会。祖国に帰国したラュォゾとはそれっきりだった。何で分かったかと言えば、わたしの視界に移る彼女に『ラュォゾ』と名前が表示されていたから。いや、名前表示が無くても分かったよ。
「スズキ―ちゃんがあの時背中を押してくれたから……この世界を滅ぼすことにしたよ。」
そういえば言ってた気がする。くだらないことを今でも言い出すなんて変わったのは身体だけで、中身は小学生のまま。ラュォゾの身体は15mくらいあった。大きくなったものだ。
わたしはラュォゾがその巨大な手足で街を破壊していたところ、偶然再会したのだった。
「いや、アレは冗談だよ。真に受けないでよ。それにわたしのせいで世界が滅ぶみたいな言い方はやめて。」
「そんな、スズキ―ちゃんが世界を滅ぼしていいよって言ったからラュォゾはこうしてるんだよ!今になってスズキーちゃんがラュォゾを否定するなんて……ズルい!」
自衛隊の砲撃を受けながら会話していたが、わたしの言葉に怒ったようで自衛隊機を潰していく。
「そもそも世界を滅ぼしてどうするのよ?」
「ラュォゾ達を馬鹿にするこの世界なんていらない!」
そうだラュォゾは馬鹿にされていたなぁ。そしてラュォゾの家族も変わり者だったから馬鹿にされていた。小学生の時はそんなに気にならなかったけど、今思い出すとかなり迫害されていたように思える。
「そ、そうだよね。アレは酷かった。そうか……だから滅ぼすのか。」
ラュォゾの気持ちも何となく分からなくもない。
「じゃあ仕方ないか。」
◇◇◇
「鈴木さん、アレを殺してください。」
ハニワからラュォゾ抹殺の連絡が入る。
「ゴメン、それだけは勘弁して。ラュォゾの好きにさせてやって。」
「ラュォゾ?アレのことですか。知り合いなのですか?」
わたしはハニワに巨大化した幼馴染のことを話す。
「アタシは世界を滅ぼされると困るので、アレを破壊しますよ。」
「アレ倒せるの?」
わたしならラュォゾを殺せるだろうけど、ハニワにそんな力は無い気がする。すると、わたしの視野に赤い表示が。
『マスターコントロールへ移行』
『バスターガジェット合体シークエンス』
『デストロイモード起動』
急に身体の自由が無くなる。そしてわたしの身体に飛来してきたパーツがくっつくと、前にハニワがロボっぽい姿だったのと同じ感じになる。更に、わたしの身体が空中に飛びあがると、どこからともなく集まってきたいくつかの車や電車や飛行機などが合体し、わたし自身もそれらと合体する。
「では、破壊します。」
ハニワの声がそう響くと、合体した巨大ロボットは長大な大砲のような武器をラュォゾに向ける。
わたしの幼馴染がいなくなった。
お読みいただきまして誠にありがとうございます!
ただただ巻き込まれる鈴木。大丈夫かな?ラスボスは兄輪ではないかと思えてくるとかこないとか。( *´艸`)
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