肉体②
ハニワと合流し、ヴェヴェにさっきの話をしてもらう。
「いや、鈴木さん。このアンドロギュノスの君は何を言っているんですか?」
そんなことわたしにも分からないし。
ヴェヴェは超高速は言葉、いや音に近い溶けたような言葉を口ずさむ。
「プロトコルを故意にずらしてますね。アタシには話したくない内容なんですね、きっと。」
「そんな、ウソでしょヴェヴェ!?じゃあ、イオからハニワに話してよ。」
イオはヴェヴェに肩車してもらいながら頭の上で目を閉じている。寝てる?いや……
「タヌキ寝入りでしょ、イオ!起きてよ~!!」
「とはいえ、盗聴しているので大体は分かっているのですが。肉体を捨てるよう促されたんですよね、鈴木さん。」
犯罪を普通の暴露するハニワ。こういうヤツだよね、コイツは……。いや、コイツ等か。揃いも揃って奇人変人ばかり。そういえば私の周りはおかしな奴らばかりだ。ありえないって!
「とにかくさ、この身体、不自由過ぎるから、誰か何とかしてよー。」
蘇生後の後遺症からいままでできていたような身体的動作がかなりできなくなっており、このままでは要介護生活になってしまう。
「肉体を捨てても幽体で生き続けられるなら止めはしないですよ、アタシは。幽体デバイスも悪くないだろうし。」
幽霊になってもわたしを使い倒そうとするなんて、コイツ鬼か悪魔か!
「肉体は好きに作れるらしいから、もしかしたら超イケてる身体になれるってことよね?それって魅力的じゃない?」
「まぁ、親からもらった身体を捨てるだけだから問題ないでしょう。どうぞどうぞ。」
え、何かイヤな言い方ですよハニワさん……。
「でも、この身体はもう元には戻らないんだよね?」
「いや、この超小型量子演算チップを移植すれば、今まで以上の動作もできますし、アタシほどではありませんが、スパコン以上の演算や記録、常時ネットへの高速アクセスもできますよ。劣化版なアタシ位には。」
それって……バレずにカンニングできるってことだよね!このハニワは生まれてこのかた100点以外取ったことが無いらしい。つまりはテスト中に脳内でコンピュータばりの計算やネット検索で正解を作っていたのだ。それをわたしもできるようになるってこと!?
「どっちも捨てがたいんですけど。」
「なら両方を混在させればいいだけですね。」
ハニワは簡単そうに言った。
お読みいただきまして誠にありがとうございます!
ハンディキャップを回避する選択肢が2つもあって鈴木は幸せですね。しかもどちらも超常的であり、どちらも得られるだなんて、もはや神ですよソレ。どんだけ~!(゜Д゜)
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