エイリアン①
それはまもなく落ちてきた……広い採掘場のライダーたちと怪人たちが戦っているところに。
凄まじい衝撃と爆音でわたしは吹き飛ばされた!
「よっと、セーフ!」
目を開けると、これまで何度か会った魔法少女の顔があった。
「魔法少女。」
「大丈夫?あなた前に会ったよね。何でこんなところにいるの?」
かくかくしかじかと説明する。
天から落ちた場所はクレーターになっていた。そりゃ吹き飛ばされるハズだ。というか、魔法少女が助けてくれなかったら死んでたかも。くわばらくわばら!クレータを覗き込むと……かなりの人たちが倒れていた。身体が損壊しているものが多く、多分死んでいる。ライダーも何人か死んだようだ……。
「魔法少女はアレを倒しに来たの?」
わたしはクレータの中心でうごめく何かを指差して尋ねる。
「まぁ、兄輪って女の子に頼まれて。まさかあの子の言った通り空からあんなのが落ちて来るだなんて。でもアレ、魔王の魔力を感じないから……わたしが戦う相手では無さそうね。」
「は?あなた正義の味方なんでしょ?相手を選んでないで早くやっつけてよ。」
以前にも感じた魔法少女への疑惑をぶつけてみた。
「正義の味方って。魔法少女はこの世界を支配しようとする魔王を倒すことが使命なの。そりゃあ、困っている人がいたら助けたりもするけど……。」
「いや、アレは鈴木さんが倒すと聞いているぞ、兄輪さんから。」
赤いライダーが右腕を抑えつつ、足を引きずりながら近づきながらそう言った。
「鈴木ってあなたのこと?え、女子高生があんなのと戦えるの!?」
魔法少女はわたしを見て失礼だけど的を射た感想を述べる。
「無理ですよ。わたし女子高生ですし。ハニワは頭がおかしいから信じないで。魔法少女でもライダーでもいいからあんなのやっつけてくださいよー。」
わたしの力をこんな面前で晒せと言うのか!?帰ったら色々とハニワのヤツを懲らしめないとと思った。ふとクレータの中心にいる何かに目を向けると、周囲に散らばった死体を取り込んでいる。美味しそうに食事をしているかのようだった。まだ生きている怪人たちと青いライダーがうごめく何かに攻撃を仕掛けるがさして効いてる風でもなく、その何かに触れた者は次々と取り込まれた。
「ライダーレンジャー青~!!」
青いライダーも食べられたようで、赤ライダーは叫びつつ膝を落とす。
「ほら、早く倒さないとクレータの中の人たち全滅するよ。」
「でもな~、魔王関係じゃないしなー。」
「すまない、青~!緑にピンクも。俺が不甲斐ないばかりにーっ!!うおおおぉ~!!!」
満身創痍な赤ライダーと守備範囲外でやる気のない魔法少女。当てにならない……。
「君たち、大丈夫か?」
ハモるように掛けられた声。そこには全身が銀色のヒーローっぽいのと、これまた銀色のファンタジーな容姿の戦士が現れた。
「俺はスペースデカ『ギャイバーン』!ヨロシクな!!」
「俺は白金の勇者『ダンディライオン』!アレは何だ?」
あらかた周囲のエサを食べ尽くしたアレが形を変え……得体のしれない怪物の形になる。
誰でもいいから早くアレをやっつけて。早く帰りたいから。
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何だろう、このワンパンマ〇のようなヒーロー揃い踏み!?ひとりだけ場違いな女子高生鈴木。
これだけ異能力の集団に囲まれているのだから、鈴木の力も披露してもいいのでは?とかw
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