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時間②

 今日は日曜日。駅前のショッピングセンターにブラブラと出かけたわたし達。


「あのさ、もう下ろしてくれてもいいんだよ。」


 わたしは身長2mはあろう細身なイケメン執事にお姫様抱っこされていた。セレブなお姉さんでもホストにこんなプレイはさせないだろう。でも、わたしがさせているのではなくヴェヴェが勝手にやったこと。誤解なき様。


 人々の視線がわたし達に集まる。いや、多分イケメン執事の美麗さに視線が集中しているのだろう。


「ヴェヴェ、あっちあっち〜!」


 イオが風船を配る着ぐるみを指差す。イオはヴェヴェに肩車してもらっていた。これが三位一体ってやつかな?


 と、そんなほのぼのとした日曜日の昼下がりに突如怪物が現れた。全身がマグマのように赤く滾った恐ろしい悪魔の如き姿をしていた。赤い悪魔は破壊のかぎりを尽くし建物などを壊し、捕まえた人々を喰らっていた。一気に街中が阿鼻叫喚と化す!


「そこまでよ、魔王の手下!」


 動画を撮るスマホを聞き覚えのある声の方に向けると、高いところに魔法少女が立っていた。そして、流れるように赤い悪魔と魔法少女の戦いが始まる。


◇◇◇


「う、動けない!?」


 まるで時間を止められたように視界のすべてが静止していた。


「魔王様のお力により時間を止めた。おしまいだ魔法少女よ!」


 赤い悪魔は静止した魔法少女に近づく……その鋭く伸びた爪を弄びながら。


「あの悪魔、時間を止めたよ。ほら時間はあるじゃない、ヴェヴェ。」


 動けないながらも会話はできるようなので、時間なんて無いと言ったヴェヴェにドヤ声でつっこむわたし。


「やれやれ。もう一度言うが『時間』など存在しないのだよ。これは万物の大半を止めたのだ。」


「でも、飛ぶ鳥も空中で止まってるよ。時間が止まったから落ちないんでしょ。負けを認めなよ。」


 ヴェヴェは動けないながらも溜息をつく。


「『時間』は人間が勝手に作った概念でしかない。何度も言わせるな。そんな架空の概念を止めるという表現自体が間違いだ。万物を止めたのだ、空中で静止もしよう。」


「重力で落ちると思うんだけど?」


「重力は現実に存在する力だ。存在するのであれば止められるのは当たり前。だから落ちない。それだけだ。」


 ヤバイ。わたしにはヴェヴェが言っていることが本当に分からなかった。


「このままだと魔法少女が殺されそうだけど、どうしよう。」


「見守るしかあるまい……動けないしな。」


 偉そうな物言いの割には動けないのね。


 いま気付いたけど、ヴェヴェの腕に高そうな腕時計が見えた。

お読みいただきまして誠にありがとうございます~!


あくまで時間の存在を否定するイケメン執事ヴェヴェ(女)。その腕には高級時計。そこは執事のたしなみなのでしょう。セーフ!('ω')ノ


コメントや評価などいただけると嬉しいです。宜しくお願いします。(*´▽`*)

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