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悪魔に転生した俺は復讐を誓う  作者: 向笠 蒼維
第1章 地獄の道
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【side マコト】空気をぶち壊す悪魔の変態共


『ちょっと、マコトちゃん! なにボケッとしてるのよ!』

『いや、現実逃避させてほしいっす』



今現実を直視するのは精神衛生上よくないっす。


早く離れようとして全力で手を振り解こうとしたんすけど、万力で握られているせいで逃げれないっす。

というか、手がもうぐちゃぐちゃなんすけど!? どんだけ力込めてるんすか!?



『シャキッとしなさい。じゃないと、サトリちゃんにまた殺されちゃうわよ?』

『今も命の危機は感じているんすけど。というか、首が刎ねられるところ見ていたんすね』

『ええ、すぱーんと綺麗に飛ばされていたわよね。その割には元気そうで安心したわ』

『肉体は問題ないんすけど、神経が磨り減るんすよ。というか現在進行形で磨り減っているっす』

『あら、それは大変ね。今すぐ私のハッグで温めてあげるわ!』

『嘘っす大丈夫っすもう完全にやる気スイッチオンになったっす!!』



虚実反転を使って手を幻影に変えて距離をとる。マコさんなら冗談抜きでこの状況でもハグしてくる。そうなれば精神崩壊は免れないっす。



『あら、つれないわね。でも元気になったなら行きましょ。チコちゃんが寂しがっているわ』

『脅威がもう一つ追加するんすか。もう戦闘どころじゃないっす』



こういう時に共感してくれる御子さんの存在の有難みを感じるっすね。早く起きてください、そして自分の代わりに変態の面倒を見てくださいっす!



『ちょっと~、マコトちゃん早く~』



あぁ、ゾッとした! 声だけで体が凍結しそうっす。さすが氷結使いっすね。


発動した魔法によって地面には霜が降りている。魔力が大分浸潤したようで、チコさんの魔力の色である青色に染まっているっすね。

チコさんの魔法は地面を滑ってサトリさんにも影響を与えているはずなんすけど、やはり平然と佇んでいるっすね。



……いや、若干困惑している?


2体の変態を見て困惑する気持ちはもの凄い分かるんすけどね。サトリさんのことっすから、それだけでいつもの薄ら笑いを崩すわけがないっすよね。



バン!



サトリさんが足を動かそうとした瞬間、爆発に飲み込まれたっす。



『……えっと、今のはマコさんの魔法っすか?』

『そうよ、魔破炎界っていうの。魔力に反応して近づいた敵を爆破する魔法よ』

『マコトとチコに影響ないということは、無差別ではなく特定の魔力パターンに対応させているようですね。中々に有用な魔法です』

『なんで爆破された本人が何事もなく会話に参加しているんすか』



平然とした様子のサトリさんにダメージは全く見られないっすね。

歩を進める度に爆破を受けているのに、ものともせずに、そのまま歩みを止めないでいる。



『強引に迫ってくる男、いいわね!』

『そこで自分に同意を求めないでほしいっす』



変態はこの状況でもぶれないっすね。



『マコとチコ。2人は何故、無事なのですか?』

『あら? それはマコトちゃんに刺されたことかしら?』

『あれは刺激的だったわ~。もう胸がキュンキュンしちゃった~』

『私もよ! もう刺激が強すぎてイっちゃいそうだったわぁ』

『ひぃっ!?』



悍ましいにも程があるっす!


本当、そのまま逝けばいいのにと思ったのは自分だけっすかね。虚実反転を使って刺し傷を治す必要なんて全くなかったっすよね。



『そのことではありません。貴方は御子の魔力に当てられて狂化状態に陥ったはず。なのに、何故自我を取り戻すことができているのですか?』



変態の異常な発言を受けてもノーリアクションなのは凄いっすね。異常者同士だから気にならないんすかね?



『ん~、あまり覚えていないけど~、特に問題なかったわよね~?』

『そうねぇ、確かに狂化状態になっちゃったけど、精神を侵されたわけじゃないわ。無理やり暴走させられたというより、御子ちゃんの意思に共感して暴走しちゃった感じね』

『御子の意思に共感、ですか』



マコさんの話を聞いてサトリさんが考え込んでいるっすね。

その表情からは困惑が見て取れる。本当、今日は普段と違って冷静さを欠いているっすね。



『それで? これから私たちは御子ちゃんを取り合う恋敵になるのかしら?』

『……その前に、いくつか確かめたいことがあります』

『へ~? サトリちゃんは何を確かめようとしているのかしら~?』

『御子さんの狂化が感染した者が正常に行動できるかどうか、っすか?』

『ご名答。ただ、確認方法について少々困っております。チコとマコの魔法発動に支障はない。精神の異常は、元からですので判断はできません。狂暴化は起こしていないのは理解できましたが。あと、会話でも把握しようと試みましたが、会話なんて元から成立しませんからね』

『確かに』

『……ねぇ、私たちもの凄く罵倒されていない?』

『本当よね~。2体の男から罵倒され冷ややかな目で見られるなんて~、これはこれで有よね~』

『あああーん、濡れちゃう!』

『『……』』



……凄いっすね。サトリさんですら思考が停止しているんじゃないっすか?



『元から狂っている悪魔には効かないんじゃないっすかね』

『そう思えてくるから不思議ですね』




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