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悪魔に転生した俺は復讐を誓う  作者: 向笠 蒼維
第1章 地獄の道
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【side マコト】悪魔への祈りとスライムへの好奇心

マコト視点

マコトが2体の変態から逃げたとこからです。


いやー、危なかったっす。

もう少しでマコさんとチコさんに見つかるとこでした。


あ、御子さんも気づいたらしいっすね。

2体に気付いた瞬間全力疾走すか。賢明な判断っす。



シュシュン!


『あらん、せっかく迎えに来て上げたのに逃げるとか酷くない?』

『本当~、お仕置きしてあげなきゃ~』



2体が自分の横を猛スピードで走り抜けていく瞬間に、そんな会話が聞こえてきたっす。

姿隠しといて正解でしたね。見つかったら御子さんじゃなくて自分が標的になっていたはずっす。


……御子さん、健闘をお祈りします。



さて、あの様子だと御子さんは速攻で捕まるはずっす。なら、早く追いかけないと。

放置していたら、やりすぎて御子さんを殺しちゃいそうっすもんね。



その前に、ムカデの婆さんとスライムを取りにいかないと。

壁際に置いておいたムカデの婆さんを肩で担ぎ上げた。そして隣に置いたスライムを、と。



『あらら、もう起きちゃったんすか?』



ちゃんと寝かしつけたんすけど、もう魔法が解けちゃった見たいっすね。

見渡すと、御子さんの向かった先に進む黒い塊が。まだ近くにいてくれて助かったっすね。

あのスライムはサトリさんのお気に入りっすからね。御子さんと一緒に最下層まで運ばないと、サトリさんに殺される……。


自分の安全の為にも、手元に置いとかないといけないっすね。

暴走した御子さんに対しては癒しの必須アイテムですし。



軽い足取りでスライムより早く動き、スライムに接近した。

隠密行動には自信があるんすけどね。スライムには気づかれてしまったみたいっす。



ヒュンヒュンヒュン



何かが風を切る音が聞こえる。正体は極細の糸っすね。

しかも体と同じく黒色。かなり見づらいっすね。


ただでさえ見づらくって厄介なのに、それが体から百は下らない数が放出されている。



バシュ!



極細なのに切れ味はかなり高いっすね。あ、自分の首が飛んだっす。まぁ、幻影のっすけど。


スライムも気づいたようっすね。周りに意識を向けて自分を探しているようっす。

それにしても、かなりの感知能力っすね。もともと視覚に頼っていないからっすかね?


魔力や気配を察知する能力が高い。それだけじゃなく、かなり賢いっすね。

自分に一度眠らされたせいか、魔法に対する警戒心が強くなっているっす。

魔法を発動する際の魔力の流れ、空気の異常な乱れ。それを感知できるようになっている。


その成長速度は、あの御子さんすら上回っているっすね。


御子さんは教えれば教えた以上の成果を見せてくれたっす。

まぁ、闇によるサポートが大きいことも確かっすけど、それを除いても覚えは早いっすね。


でも、スライムは誰かに教えを乞うことなく学んでいるっす。

今までに食らった悪魔の知識によるものなんすかね。



もう少し放置していれば、スライムはアトネフォシナーでもかなりの強者になりそうっすね。

さすがに現状ではまだ負けないっすけど。



そんなことを考えていると、スライムから攻撃が飛んできたっす。

……すでに御子さんよりは強いのでは? 少なくとも御子さんは自分の幻影を見破れていないっすからね。



スライムから飛んできた糸を躱しつつスライムに接近し、手を翳す。



『"幻夢"』



スライムの体がぴくんと跳ねる。一瞬体がプルプル揺れて、動きを止めた。

一度自分の魔法を受けただけで、もう幻覚耐性を獲得したみたいっすね。

一瞬でも抵抗されるとは、ちょっと自分の魔法に自信を無くしそうっす。まぁ、嘘っすけど。



キキキキキキキキキ!!



スライムは眠る前に眷属召喚をしていたみたいっすね。

これは、さっき食べずに逃がした虫の魔獣っすかね? スライムの体を囲うように蜘蛛型の魔獣が10体。


もうすでに召喚魔法すら使えるとは、今後が楽しみっすね。



『サトリさんが興味を示すわけっすね。でも、しばらくは大人しくしていてくださいっす』



蜘蛛型の魔獣は召喚されてすぐに動きを止めている。

知能のない魔獣は幻術にかかりやすいから楽でいいっすよね。



『じゃあ、御子さんのとこに行くっすよ』



動きを止めたスライムを掬い上げる。……このプルプルボディ、御子さんじゃなくても癖になるっすね。


スライムに癒されつつ、駆け足で御子さんのもとへ向かう。

残ったのは、バラバラになった魔獣の死骸だけだった。


マコト視点でもう1話続きます。

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