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悪魔に転生した俺は復讐を誓う  作者: 向笠 蒼維
第1章 地獄の道
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混乱する悪魔

真っ黒な体に鋭い爪、尖がり耳に角2本、これなーんだ。


そう、悪魔だね!

俺、悪魔になっちゃいました!!


……って、受け入れられるかーーーー!!



とりあえず、落ち着かねば!

頭を抱えてしゃがみ込んだが、手に角が当たってパニックが加速。


床に手をついて大声で叫んだ、つもりだったが、声が出ない。

というか、さっきから音が聞こえない! さらにパニック加速。


突っ伏した状態で床を叩いたら床に罅が入った。

パニックの加速が止まらない!!







……暫くの間、仰向けになって藻掻くように手足をバタバタさせた。

パニック状態を脱するために体を動かしたいが、床や壁に手足が当たると罅が入ってしまい、余計パニックになる。物に当たらないように体を動かすための苦肉の策だ。

傍から見ればゴキブリ体操にしか見えなかったかもしれないが、そこは目を瞑ってほしい。



時間をかけて何とかパニック状態から脱したが、今、切実に癒しアイテムがほしい。

子猫か子犬、もはやネズミでもいい、小さくてかわいい子を僕にください。





……ふぅ、まだ動揺はしているけど、さっきまでよりは大分マシになったかな。


もう一度冷静に現状を分析する為に、俺は座り直して壁に背を向け、部屋全体を見渡した。


部屋は教室くらいの広さだが、物は一つも置かれていない。


気になるのは2つ。

1つ目は一番最初に目にした天井。俺の気のせいじゃなく、本当に白く光っている。

ゆらゆら揺れているのは何だろう? よく見ても、白い靄の正体はわからない。


2つ目は床一面に刻まれた模様。

部屋の床いっぱいに円を描き、円の中には文字と文様がびっしりと記してある。



これって、もしかして魔法陣?



漫画やアニメで魔法陣はよく見ていたけど、本物を見たことなんて勿論ない。

記されている文字は読めないし、線が複雑に重なって見たことのない模様になっているが、

もう自分自身がファンタジーな存在なんだ。魔法陣くらい容易に受け入れられる。



これが魔法陣だとして、その用途は何だ?



……悪魔がここにいて、魔法陣が目の前にあるって状況だと、悪魔を召喚するための魔法陣とかかな?

でも、その場合、召喚主が近くにいるはずだけど、ここには俺一人だけだ。

まぁ、召喚主がいた場合は隷属契約やらなんやらで縛られてたかもね。悪魔を召喚したまま野放しなんて、危険すぎるだろう。



やっぱり一番の問題は、俺が悪魔になっていることか。

もし召喚されたのなら、人間のまま召喚されるはずだ。



……召喚じゃなくて、転生?

転生って、確か現実世界で死亡して、異世界で生まれ変わるってことだっだよな?

じゃあ、俺は、一度死んでいる…?



不安が不安を呼び、一つも解消しないまま膨らみ続ける。



もし本当に一度死んで転生したのなら、その原因は何だ?



ここに来る前の記憶を探るが、まったく思い出せない。

……記憶喪失ってことか。

……いや、悪魔に転生した時点で前世の記憶が消滅している可能性もあるのか。



前世で死亡して、異世界に転生され、悪魔になったときに記憶が消えた。

推測だから確証なんてないけど、とりあえずこの仮説で納得しておく。正直、もうこれ以上推測を重ねたくない。記憶がないんじゃ正解にたどり着くなんて無理だ。



わからないことだらけなら、調べるしかないよな。


そう思い、俺は立ち上がった。




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